1996 Fiscal Year Annual Research Report
HLA遺伝子と歯周疾患の感受性及び歯周疾患関連細菌に対する抗体産生能との関連性
Project/Area Number |
08771683
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
新田 浩 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70237767)
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Keywords | 歯周疾患 / HLA / DNAタイピング / Papillon-Letevre Synfrome |
Research Abstract |
歯周疾患感受性における遺伝的要因を追究するため、HLA抗原の血清学的タイピングを早期発症型歯周炎患者と高齢健常者について行うことを計画した.早期発症型歯周炎患者については33名、さらに、乳歯期に歯周炎を発症するPapillion-Lefevre Syndromeの患者3名とその家族3名についてHLA抗原の血清学的タイピング行った.その結果、早期発症型歯周炎患者ではクラスI抗原HLA-A,B,C抗原のどれも対照群(一般日本人集団)に比べ、出現頻度に統計学的に有意差のあるものは認められなかった.クラスIIについては患者群にHLA-DQ1の出現頻度は有意に増加していた. 一方、Papillon-Lefevre Syndrome患者では3人全員がHLA DQw1を持っていること、そのうち2人は4つのHLAクラスIIのタイプがまったく同一である(確率は10万分の1以下)ことが判明した.近年の分子生物学の発展により、血清学的には同じHLA型であっても、DNAのタイプが異なるものがあることが明らかになっている.Papillon-Lefevre Syndrome患者のクラスII抗原について、さらに詳しいDNAタイピングを家族も含めて行った.その結果、血清学的タイプが同一であった2人はDNAタイプもまったく同一であった. 現在、早期発症歯周炎患者について、相関の認められたDQ1抗原のDNAタイプを分析中であり、また、5人の結果であるがPapillon-Lefevre Syndrome患者とのDNAタイプとは異なるようである.高齢健常者についてはHLA抗原の血清学的タイピングを現在行っている.Papillon-Lefevre Syndrome患者ではその原因菌と推察されるA.a.菌の抗原認識パターンが非常に類似していることがウエスタンブロット法により明らかになっており、免疫応答遺伝子であるHLAとの関係も現在検討中である.
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