1996 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成因子(BMP)を用いた歯周組織再生埋植材の根分岐部病変に対する効果
Project/Area Number |
08771684
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木下 淳博 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10242207)
|
Keywords | BMP / bone morphogenetic protein / 骨形成因子 / 骨誘導因子 / 再生治療 / 歯周組織再生 / 分岐部病変 / 実験的歯周炎 |
Research Abstract |
従来の再生療法では十分な成果をあげることが難しいといわれている貫通型の分岐部病変を伴うイヌ実験的歯周炎に対して,rhBMP-2を担保と共に埋植し、これが歯周組織の再生に有効であるかどうかを検討した. 材料および方法:ビ-グル犬6頭の下顎左右第4臼歯に歯根長の約半分まで骨吸収が進んだ実験的歯周炎を作製した、麻酔下で。同歯頬舌側の歯肉弁を剥離し,歯根全周の露出したセメント質を除去した。rhBMP-2溶液をポリ乳酸ポリグリコール酸共重合体(PLGA)/ゼラチオンスポンジに浸漬させた埋植材を、実験群の欠損部に埋植し、歯肉弁を縫合した。対照群では、溶媒のみを浸漬させた担体を実験群と同様の術式で埋植した。術後12週で埋植部位を切除し、近遠心断の連続パラフィン切片を作製して、分岐部内の新生骨形成量、新生セメント質形成量、結合組織性付着形成量に関して組織計測を行った。 結果:実験群では、多くの標本で、分岐部内に新生骨組織が観察され、中には、分岐部全体に新生骨がみられる標本も観察された。一般に、新生骨と分岐部内の根面の間には、新生セメント質、および新生歯根膜が観察されたが、一部では骨性癒着が観察された。対照群では、ほとんどの標本で、分岐部内に新生骨組織が観察されず、セメント質の形成量もわずかであった。また、全ての分岐部内の深部まで上皮組織の侵入が観察された。組織計測の結果、新生骨の形成量、新生セメント質の形成量、結合組織性付着の形成量に関して、実験群のほうが有意に大きな値を示した。 考察:本研究の結果は,従来の再生療法において困難とされていた症例においても、本法によって比較的良好な歯周組織再生が期待できることを示している。 結論:PLGA/ゼラチンスポンジを担体としたrhBMP-2の埋植が、貫通型の分岐部病変を伴うイヌ実験的歯周炎における歯周組織の再生に有効であった.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Atshhiro KINOSHITA: "Periodontal Regeneration by Application of rhBMP-2 to Horizontal Circumferential Defects Created by Experimental Periodontitis in Beagle Dogs" J Periodontol. 68・2(in press). (1997)
-
[Publications] Atshhiro KINOSHITA: "Effect of rhBMP-2 on Experimental Periodontiotitis with Horizontal Bone Loss" Journal of Dental Research. 75・SI. 32-32 (1996)
-
[Publications] 木下淳博: "rhBMP-2は実験的歯周炎において歯周組織再生を促進する" 口腔病学会雑誌. 63・1. 257-257 (1996)
-
[Publications] 石川烈: "Recombinant human bone morphogenetic protein-2の歯周組織に対する影響" 炎症. 16・3. 181-185 (1996)
-
[Publications] 小田茂: "二相性リン酸カルシウム(Biphasic Calcium Phosphate)を担体としたリコンビナントヒトBMP-2(rhBMP-2)の異所性骨形成能について" 口腔病学会雑誌. 63・3. 468-477 (1996)
-
[Publications] 木下淳博: "歯周病学(石川烈編)これからの歯周治療成長因子と歯周治療" 永末書店, 296 (1996)