1996 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディアによる歯科高速切削シミュレーション教育支援システム確立に関する研究
Project/Area Number |
08771695
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
辻 武司 広島大学, 歯学部, 助手 (20263717)
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Keywords | 最適化 / シミュレーション / 切削 / 数値解析 / 非接触型 / 教育支援 / 人工歯 / 非線型 |
Research Abstract |
保存修復学の卒前教育において,臨床実習に入る前段階としてのファントームを用いた基礎学習の果たす役割は重要であり,臨床実習へのスムーズな移行ならびに臨床で不可欠なスキルの習得という点でより効率的なシステムの登場が望まれている. 本研究では,術者のスキルの習得度並びに学習による効果を評価するシステムの確立を目指して,試作ダイヤモンドポイントによるメラミン樹脂素材のブロック(ニッシン社)に対する手指切削実験を行い, 1.切削シミュレーションソフトを用いた切削圧変化 2.抜切削歯の形態計測 の双方から評価する方法について検討した. 1.切削シミュレーションソフトを用いた切削圧変化 負荷圧と切削効率から切削幅とポイントの角度が異なる条件下における適正な切削の評価方法について検討を加えた.切削中はハンドピ-ストレーナー(モリタ社)と切削シミュレーションソフト(モリタ社)により,手指制御によって常にあらかじめ設定した一定の切削圧になるように調節した.各実験郡とも異なった切削圧を設定し,各切削圧毎の切削量を印象材による密度法によって測定した.その測定結果から切削効率を算出し,切削圧と切削効率から各種条件下における適切な切削の評価方法について検討を加えた.その結果,切削効率からみる限り,ポイントの角度や切削幅に関わらず切削圧の変化に対する切削挙動の変化は近似した傾向を示し,切削幅やポイントの角度への影響が小さいことが判明した.以上より,本システムにおいて切削圧を基準とした切削シミュレーショントレーニングへの応用が可能であることが示唆された. 2.抜切削歯の形態計測 被切削歯の形態をデジタルカメラ(NEC社)を介してパーソナルコンピュータ(日本IBM社)に取り込み,数値データに変換し,その解析結果に基づいて最小自乗法による最適化問題から切削技法の適正度について評価するために最も有効であるような臼歯1級窩洞の理想窩洞の設計を試みた.その結果,メラミン人工歯上で,咬合面の裂溝と裂溝並びに裂溝と辺縁隆線との交点を基準とし,窩洞の境界を基準点間の距離の比として表現する方法が最適であった.現在,被切削歯の形態を点の集合として座標値に変換する手法とその精度について目下検討中である.
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Research Products
(1 results)