1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771791
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
川端 修一 徳島大学, 歯学部, 助手 (70274230)
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Keywords | マウスガード / 衝撃緩衝能 / 上顎骨 / 歪 / 振動 |
Research Abstract |
本研究では,乾燥頭蓋に振動計と歪みゲージを貼付したモデルを用いて,下顎骨に衝撃を加えた場合の上顎骨の歪み量からマウスガードの衝撃緩衝能について検討した. 実験材料としてマウスプロテクター(GC社製)を用いた.口腔内に装着された状況をシミュレートする実験系として、中心咬合位で歯牙が接触することを確認した乾燥ヒト頭蓋骨をシミュレーターとして,中心咬合位として用いた.マウスガードは,3種類の厚さ異なるものを作製した.顎骨の歪みは,上顎間縫合,側切歯部歯槽骨,鼻骨縁部,鼻骨前頭骨縫合部、頬骨上顎縫合で,また,頭蓋に加わった衝撃力を下顎右側筋突起部と上顎左側眼下下孔部で測定し,以下の結果を得た. 1)マウスガード装着によって,下顎骨に伝達される衝撃加速度は増加し,マウスガードの厚さが2mm,3mm,4mmと厚くなるに従い下顎筋突起部に伝達される衝撃加速度は増加する傾向を示した. 2)上顎骨の歪み量は,マウスガードを装置しない場合,上顎間縫合部において最も大きな圧縮ひずみが認められ,鼻骨前頭縫合,側方切歯部歯槽骨,頬骨上顎縫合の順に小さくなった.鼻骨縁部,第一大臼歯歯槽骨部では,逆に引張ひずみが認められたが,その大きさは17〜22μεと圧縮ひずみよりも小さな値を示した.これらの結果は,臼歯部が頬側方向に拡大し,正中部は逆に縮まる方向にひずむものと考えられた.このことは,マウスガードを装着することにより,下顎が顎頭を中心位に回転し,下顎前歯の上方への変位量が大きくなり、小臼歯部から犬歯部にかけての上顎骨のひずみが大きくなったものと考えられる.
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