1996 Fiscal Year Annual Research Report
光重合型コンポジットレジンの光照射量と収縮応力の関係
Project/Area Number |
08771828
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小松 光一 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (80256891)
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Keywords | 光重合型コンポジットレジン / 重合収縮応力 / 照度 |
Research Abstract |
光重合型コンポジットレジンは,歯質と強固に接着すると重合収縮応力を発生する.また,硬化時間の短縮およびレジンの重合度を増加させるために,照射光量の大きい光照射器が多く市販されている.しかし,光重合型コンポジットレジンの硬化速度が速くなると,重合収縮応力が増大する危険性がある.そこで,光重合型コンポジットレジンの硬化速度と重合収縮応力の関係を検討することを目的とし,光照射の条件が光重合型コンポジットレジンの重合収縮応力におよぼす影響を検討した. 使用材料には,市販光重合型コンポジットレジン(フォトクリアフィル,クラレ)を使用した.コンポジットレジンの重合収縮応力の測定は,試作重合収縮応力測定装置を用いて,光重合型ボンディング材を塗布した黄銅製の金型に成形した内径6mmの円柱窩洞に光重合型コンポジットレジンを充填後光照射し,窩底に対して垂直方向に発生する収縮応力を測定した.この時,光照射器の入力電圧を70,100および110Vと変化させ,それぞれの照度(照射光強度)が400,600および800W/m^2とした. その結果,光重合型コンポジットレジンの重合収縮応力は,照度の増加にともない上昇した.これは,コンポジットレジンの硬化時に発生するレジン表面のフローが減少したためだと考えられる.そのため,光重合型コンポジットレジンの重合収縮応力を軽減させ硬化時間を短縮するためには,照射距離を長くし硬化初期に弱い光を照射してレジン表面のフローを十分に生じさせた後に,照射距離を短くし強い光を照射してレジンを完全に硬化させることが必要であると考えられる.
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