1996 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組み替えヒトBMPを用いた骨誘導型人工骨による機能的
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08771848
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森 正次 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90272608)
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Keywords | 遺伝子組み替え型ヒト骨形成因子(rhBMP) / ポリ乳酸 / ポリグリコール酸共重合体 / 新鮮自家腸骨 |
Research Abstract |
遺伝子組み替え型ヒト骨形成因子(rhBMP)を口腔外科領域に応用するにあたり、我々は従来よりイヌ下顎骨に骨欠損を形成し、これの骨欠損に対するrhBMPの効果を観察し報告してきた。今回はまず抜歯後3ヵ月を経過したイヌの下顎骨に辺縁切除を行い、この骨欠損に対する効果を検討した。尚、担体としては生体内で分解球風されるポリ乳酸/ポリグリコール酸共重合体ゼラチン複合体を用いた。 実験の結果は、エックス線学的にも病理組織学的にも術後8週で骨欠損はほぼ新生骨に置き変わり、術後12週では周囲の健常な骨皮質とほぼ同等な骨密度を有するに到った。このように遺伝子組み替え型ヒト骨形成因子が歯槽骨骨欠損の補填に有効であることが示された。 次により大きな顎骨欠損の対しての影響を検討するとともに、新鮮自家腸骨海綿骨との比較をする実験を行った。イヌ下顎骨を20mmの幅で区域切除した実験では、rhBMPを用いると早期から旺盛な骨形成がみられ、術後8週ではほぼ周囲の骨組織と遜色のない所見がみられた。また、イヌの下顎臼歯を抜歯し、チタン製インプラント抜歯窩に即時埋入したところ、ポリ乳酸/ポリグリコール酸共重合体ゼラチン複合体を担体として(rh BMP)用いた実験群は新鮮自家腸骨海綿骨と同程度の骨結合が観察された。このことは、遺伝子組み替え型ヒト骨形成因子による骨形成が自家骨海綿骨の代用となることを示しており、歯科口腔外科の臨床に極めて重要な意義を持つものと思う。
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