1996 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌患者の腫瘍マーカーシフラの血清中、組織内濃度と免疫組織染色の関係
Project/Area Number |
08771858
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
尾原 清司 島根医科大学, 医学部, 助手 (70204279)
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Keywords | CYFRA / SCC-antigen / 腫瘍マーカー / 抗サイトケラチン19抗体 / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
顎口腔領域扁平上皮癌患者に対して、抹消血を採取し腫瘍マーカー血清シフラ濃度および血清SCC抗原濃度を測定した。 1.シフラのカットオフ値は、2.0ng/ml程度に設定すると、シフラの診断効率を最もよくすることが明らかになった。顎口腔領域扁平上皮癌症例で現在最も頻繁に用いられているカットオフ値1.5ng/mlのSCC抗原と同等の診断効率を得、シフラの有用性が示された。また血清シフラ濃度は扁平上皮癌再発症例で高い傾向が見られた。 2、シフラとSCC抗原の濃度の相関関係は低く、両者の併用は感受性の向上に有益であることが示唆された。 3、扁平上皮癌新鮮症例において、腫瘍径が大きくなるに従って、シフラ血清中濃度が高くなる傾向が見られた。 臨床病期分類(Stage)と、シフラ血清中濃度の明らかな関係は見いだせなかった。 扁平上皮癌の、組織学的分化度と、シフラ血清中濃度の明らかな関係は見いだせなかった。 扁平上皮癌未治療新鮮症例の生検時に得られた試料に対して、ストレプトアビジンビオチン法にて抗サイトケラチン19抗体を用いて、免疫組織染色を行った。 6、便宜的に強染色性、弱染色性、染色性無しと分類した場合、抗サイトケラチン19抗体の免疫組織染色性と、シフラの血清中濃度との明らかな関係は見出されなかった。 現在症例を増やすとともに、PCNA等の抗体を用いて細胞の性質とシフラ濃度の関係について研究中である。研究成果は96年口腔外科学会総会で発表、また97年9月5th International Congress of Orqal Cnacer(London)で発表予定である。
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