1996 Fiscal Year Annual Research Report
第VIII因子関連抗原よりみた口腔癌血管新生とその転移,浸潤様式におよぼす影響について
Project/Area Number |
08771903
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
土肥 雅彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20257306)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 血管新生 / AgNORs / 転移 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌12例について検索をおこなった。全12例中3例に頚部リンパ節転移を認めた。また,いずれの症例も遠隔転移は認められなかった。 1.Ag-NORs数の検索 Howell & Blackのone step法をを若干改良した方法にてAg-NORs染色を施し,1000倍光顕下にて核内平均Ag-NORs数を検索した。その結果,口腔扁平上皮癌原発巣における核内平均Ag-NORs数は9.58であった。コントロールとして口腔領域良性腫瘍8例の核内平均Ag-NORs数は4.74であった。 2.腫瘍内血管の検索 腫瘍内血管は第VIII因子関連抗原を用い免疫染色を行い検索した。腫瘍内血管新生は血管数の多い郡7例と,少ない郡5例に大別された。多い郡の核内平均Ag-NORs数は10.12,少ない郡の核内平均Ag-NORs数は8.83であった。 3.転移,浸潤様式と血管新生との関係 頚部郭清術を施した症例は組織学的に頚部リンパ節転移の有無を検索した。頚部リンパ節転移のみられた3例はいずれも腫瘍内に血管新生が多くみられた。また,浸潤様式は原発巣より採取した組織をHE染色し,山本・小浜の分類にもとづき検索した。今回,浸潤様式と血管新生とは明らかな関係はみられなかったが,今後さらに症例を増やし,詳細に検討を行う予定である。
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