1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771959
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
郡 由紀子 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70243722)
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Keywords | 6自由度顎運動 / 顎頭運動 / 顎間軸 |
Research Abstract |
磁気位相空間を応用した6自由度顎運動測定器を用いてHellmanの歯年齢IIA期の女児1名、IIIA期の女児4名、IIIB期の女児1名について顎運動の測定を行った。測定は、各種限界運動、および習慣性開閉口運動、左右側方滑走運動等についておこなったが、低年齢児では限界運動を再現性良くおこなうのは困難であり、データのばらつきが目立ったので、比較的再現性の良い最大開閉口運動、前方滑走運動、左右側方滑走運動を解析対象をした。 各種運動からの解析項目は、最大切歯点移動量、最大顆頭移動量、最大下顎回転量(矢状面内)、側方限界咬合位における切歯点移動量、顆頭移動量、下顎回転量(矢状面内)、3mm側方咬合位における下顎回転量(矢状面内)、切歯路角、および各種側方咬合位における下顎の平行移動量と回転量等である。 各解析項目の成人データとの比較から、小児と成人では前方咬合位における矢状歯路角、側方咬合位における矢状切歯路角、水平面展開角に違いが認められた。すなわちこの年齢の小児の滑走運動は比較的緩い角度で行われていた。これについては過去の報告と一致するものである。しかし顆路角については成人と大きな違いは認められず、また小児では切歯点の運動量が小さいわりには、顆頭の移動量が大きい傾向が認められた。この点については形態的な側面から考察しても小児の顎関節部の可動性を裏付けるものと考えられる。そこで小児と成人との下顎運動の違いを端的に表現する手段として、顎間軸モデルを用いて表現することを試みた。その結果、側方滑走運動において下顎の回転量は変わらないが、平行移動量は小児の方が大きいことが認められた。 以上の結果については、まだデータ数が少なく不明な点も多いことから、今後データ数をふやして検討を続けていく予定である。
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