1996 Fiscal Year Annual Research Report
Streptococcus milleri由来スーパー抗原の化膿性炎惹起の可能性
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08771971
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松下 信美 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (70264447)
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Keywords | Streptococcus intermedius / スーパー抗原 / Streptococcus milleri |
Research Abstract |
Streptococus millei培養上清中に含まれるスーパー抗原様物質の同定およびその免疫学的活性を明らかにするために以下の実験をおこなった。 1.S.milleri臨床分離株108株の培養上清を採取し、これらの上清のヒトT細胞増殖誘導活性をデオキシウリジンの取り込みを指標にして測定した。 2.既知のスーパー抗原に対する抗体を用いて、S.milleri由来スーパー抗原様活性物質との反応性をELISAで調べた。 以上の実験から、次のような結果を得た。 1.S.milleri臨床分離株の内、12菌株からとった培養上清が強くT細胞の増殖を誘導した。また、活性を示した培養上清はほとんどすべてS.intermediusgroupに属する菌株からのものだった。 2.活性を示した上清は、既知のスーパー抗原に対する抗体、すなわちanti-SEB、anti-F-2抗血清とは反応しなかった。 したがって、S.milleri上清中に含まれるT細胞増殖誘導物質は既知のスーパー抗原とは血清学的に異なる新奇の活性物質である可能性が示唆された。 今後、さらにこの物質の生化学的性状をあきらかにするとともに、その病理活性についても明らかにしていきたいと考えている。
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