1996 Fiscal Year Annual Research Report
光造形システムによる実態モデルの寸法安定性および歯列模型の置換に関する研究
Project/Area Number |
08771974
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松原 進 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (70264869)
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Keywords | 3次元光造形システム / 歯列模型 / 外科的矯正 |
Research Abstract |
目的:外科的矯正治療の対象となる症例に対しては,近年スパイラルCTデータと3次元光造形システムを利用した実体モデルを作成し,術前矯正治療を含めた治療計画および,手術術式の検討が行われてきている.しかしメタルで作成された矯正用器具によるア-ティファクトにより歯牙の形態および咬合関係の再現は不可能である。このため、歯列模型を実態モデルへ正確に位置づけし、置換することが必要である。本研究の目的は、歯列模型の位置づけの指標となるスプリントおよびバ-の形態と材質の選択を行い、歯列模型の実態モデルへの置換とその再現性について検討することにある。方法:1)歯列模型の置換に使用するバ-の材質として、CTによるア-ティファクトが少ない材質を選定し、これらを一定寸法に加工する。つぎにこれらの実態モデルを作成しその再現性を検討する。 2)矯正用ブラケットによるア-ティファクトの影響を乾燥頭蓋骨を用い、矯正用ラケット装着、および未装着の実態モデルを頭部X線規格写真により検討する。3)歯列模型の実態モデルへの置換とその再現性に関して1)、2)で得られた結果より、置換用バ-のついたスプリントを作成し、乾燥頭蓋骨の実態モデルを作成し歯列模型を置換する。つぎにこの置換済みモデルの再現性を実測と頭部X線規格写真により検討する。結果:歯列模型の位置付けの指標となるスプリントおよびバ-については純チタンとアクリルレジンにより検討を行った結果純チタンについてはエックス線によるアーチファクトが認められ、アクリルレジンではほぼ認められなかった。金属製ブラケットによるアーチファクトは、実態モデル上で半径約7mmにおいて認められ、置換用バ-は安全性を考慮しブラケットより約10mm離すことが望ましいと考えられた。これらの条件より作成された置換用バ-のついたスプリントを乾燥頭蓋骨に装着し作成し、実態モデルを作成した。次に歯列模型置換後のモデルのX線規格写真と乾燥頭蓋骨のX線規格写真をそれぞれトリ-スし、比較検討を行った結果、上顎前歯切端では上下的に約0.5mm、前後的には約0.3mm、咬合平面では約1度の違いが認められたにすぎず,歯列模型の実態モデルへの置換に有効であることが認められた.
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