1996 Fiscal Year Annual Research Report
障害児の顎・顔面領域の形態的・機能的異常に関する研究
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08771990
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
野本 たかと 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (80246925)
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Keywords | 形態計測 / 口唇 / 摂食機能 / 障害児 |
Research Abstract |
本研究は、摂食障害のきわめて初期段階の問題として、口唇の機能が重要なものであると指摘されているところから、口唇の形態について写真計測法での測定から開始した。 写真計測に関しては、撮影条件の規格化と作業の迅速化の目的で、簡易規格撮影装置を自製して行った。計測は、口裂幅・赤唇高径及びその比について行い、健常児・者と障害児・者とで比較検討した。 口裂幅に関しては、成人では、健常者に比べ障害者の方が大きい値を示していたが、小学1年生から中学3年生群では、障害児の方が小さい値を示していた。また、6歳から15歳までを年齢別に分け口裂幅の成長に対して至適な回帰曲線を求めたところ、健常児の方は、各年齢群でほぼ均等な成長を示していた。障害児では、10歳頃までは、著名な成長は示さず10歳以降に成長の伸びを示していた。 赤唇高径に関しては、小学1・2年群と成人群では、障害児・者の方が健常児・者より大きい値を示しており、他の群では、障害児の方が健常児よりも小さい値を示していた。成長曲線に関しては、健常児・障害児ともに年齢の上昇とともに高径の大きさも緩やかに増加していた。若干、健常児の方が成長が大きい傾向にあった。 口裂幅を赤唇高径で割った比率に関しては、小学1・2、3・4年群では、健常者の方が高い数値を示しており、小学5・6年群ではほぼ同様の値を示し、中学生群や成人では、障害児・者の方が大きい値を示していた。比に関しては、障害児群では、バラツキがどの年齢群においても大きかった。 障害者の口唇の形態が機能の良否によりどのような形態への変化を見せるのかを写真計測により調査した。今後は、機能の評価とともに形態の変化を検討していく予定でいる。
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