1996 Fiscal Year Annual Research Report
リチウム化反応を基盤とする2位置換アデノシン類の新規合成法の開発
Project/Area Number |
08772034
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
加藤 恵介 東邦大学, 薬学部, 助手 (80276609)
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Keywords | lithiation / 6-chloropurine riboside / LTMP / Silylation / Stannylation |
Research Abstract |
(1)6-クロロプリンボシドのリチウムジアルキルアミドによるリチウム化反応について詳細に検討した結果、求電子試薬としてトリブチルクロロスタナンを用いるとはじめにプリン環8位がスタニル化を受けた後、これが2位へ分子間転移し、プリン環2位に定量的な収率でスタニル基が導入されることを見出した。さらにこの分子間転位反応は、糖部分をメチル基に変えた9-メチル-6-クロロプリンにおいても同様に起こることも明らかにしており、本反応の一般性の高さを示している。 (2)(1)の反応で得られる6-クロロプリンリボシドの2-トリブチルスタニル体の2位スタニル基の反応を利用して2位置換アデノシン誘導体の合成を行った。2-トリブチルスタニル体とヨウ素、NBS、NCS、XeF_2との反応によりプリン環2位にI,Br,Cl,Fと全てのハロゲンの導入に成功した。また2-トリブチルスタニル体とハロゲン化ビニル誘導体、ハロゲン化アセチレン誘導体、ベンゾイルクロライド、アリルブロマイド又はベンジルブロマイド等をパラジウム触媒下反応させるStille反応により、プリン環2位にアルケニル基、フェニル基、アルキニル基、アリル基、ベンジル基、ベンゾイル基等の炭素官能基の導入にも成功した。これら2位置換体は、アルコール性アンモニアで処理することで6-アミノ体に変換後、糖部水酸基の脱保護により2位置換アデノシンに導いた。 (3)(1)の反応をアデニンヌクレオシド系抗生物質であるネプラノシンA、コルジセピンに適用し高収率で2-トリブチルスタニル体を得た。次に(2)の反応を利用し、ネプラノシンAの2-フルオロ体、コルジセピンの2-アルキニル体、ベンジル体、フェニル体、ベンゾイル体等の合成に成功した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Keisuke Kato: "New Total Synthesis of (±)-Chuangxinmycin." Tetrahedron Letters.38. 1805-1808 (1997)
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[Publications] Yoshiro Matsuda: "Synthesis of 2,12-Dithia[3](2,6)pyridino[3](1,4)cycl[3.2.2]azinophanse and It's Barrier to Methylene Twist." Heterocycles. 43. 1633-1640 (1996)
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[Publications] Keisuke Kato: "Lithiation-based silyation and stannylation of 6-Chloro-9- (β-D-ribofuranosyl) purine." Nucleic Acids Symposium Series.34. 155-156 (1995)
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[Publications] Keisuke Kato: "Lithiation-Mediated C-C Silyl and Stannyl Migrations Observed in 6-Chlero-9- (β-D-ribofuranosyl) purine." Tetrahedron Letters.36. 6507-6510 (1995)