1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08772046
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
町支 臣成 福山大学, 薬学部, 助手 (10248297)
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Keywords | 1-アザヘキサトリエン / 電子環状反応 / 多置換イソキノリン / 5,8-イソキノリンキノン系化合物 |
Research Abstract |
グラム陽性菌類あるいは真菌類に強い殺菌活性を持つ天然物アルカロイドの5,8-イソキノリンキノン系化合物群(Mimocin,Renierol,Renierone,Cribrostatin-1など)およびイソキノリン-3,5,8(2H)-トリオン系化合物群(Mimosamycin,Cribrostatin-2,Perfragilin A,Perfragilin Bなど)に対し、これらの共通母格となる多置換イソキノリン骨格を共役1-アザヘキサトリエン系の電子環状反応を鍵ステップとした新規合成法の開発を検討した。更に、この合成法を用い5,8-イソキノリンキノン系天然物合成を試みた。その結果、第1に原料のベンズアルデヒドより、2行程を経て鍵化合物へと誘導後、熱電子環状反応を行うことで多置換イソキノリンの新規合成法を開発できた。第2に、この実験結果をもとに、5,8-イソキノリンキノン系化合物に応用した。まず、これら天然物群の構造中に共通して見られる1-位のヒドロキシメチル基を最初から組み込んだ1-アザヘキサトリエン系化合物を設定し電子環状反応を行うことにした。即ち、原料のベンズアルデヒドにイソプロポキシジメチルシリルメチルマグネシウムクロリドを反応させ1,2-ジオール体とした後、一級アルコール部のシリル化、次いで二級アルコール部のケトンへの酸化、オキシム化を行い鍵化合物へと誘導し,熱電子環状反応を行うことで1-ヒドロキシメチルイソキノリン体に誘導することができた。現在、5,8-イソキノリンキノン体への酸化反応を試みることで天然物への誘導を検討中である。
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