1996 Fiscal Year Annual Research Report
大環状ラクトン化合物分子の動的構造の解析に基づいた定量的構造活性相関
Project/Area Number |
08772141
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
後藤 了 徳島大学, 薬学部, 助手 (50253232)
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Keywords | タンパク質結合シミュレーション / グルコース輸送担体 / 分子の動的構造 / 定量的構造活性相関 / コンカナバリンA |
Research Abstract |
トリプシンにて処理した赤血球から白色ゴ-ストを調製し、分子量分画によるバンド4.5(グルコース輸送担体45〜65kDa)の量をクロマトスキャナにて測定し、バンド5(MW43kDa)に対する相対量比を求めたところ、コントロールに対してトリプシン処理標品では値が低下し、バンド4.5が消化された量が観測される。そこで、この系に0.1mg/mlのN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を添加したところ、バンド4.5の相対量比は0.89から1.5に増大し、トリプシンによるバンド4.5の消化作用を濃度依存的に阻害することを確認した。さらに0.1mg/mlグルコース(Glc)の場合、0.6から1.6に増大し、GlcNAcよりも選択性が高いと思われた。しかしながら、この系では内部標準に用いたバンド5の量の制御に問題があり、実験ごとのコントロールの偏差が大きいため、定量的な扱いが困難である。そこで、グルコース輸送担体とその消化断片を酵素抗体法にて検出し、その量比から糖質の影響を測定する試みに着手し、糖質以外での結合活性の測定に応用している。 一方、植物由来のレクチンタンパク質コンカナバリンA(ConA)と糖質との結合活性につき、赤血球凝集阻害活性を測定すると最大阻害濃度はGlcNAcが15mM、Glcが5mMであり、この強度はコンピュータモデリングしたConAと糖質との結合強度のエネルギー計算の結果によって再現された。さらにマンノース、N-アセチルマンノサミンを用いた実験結果と結合シミュレーションでも良好な相関が得られ、ConAの相互作用部位のモデルを構築できた。このモデルのアミノ酸を変更して、赤血球グルコース輸送担体での結合強度を再現する受容体モデルを構築し、類縁化合物の立体構造を考慮した構造活性相関解析を現在検討中である。また、古典的な構造活性相関研究、および立体構造のコンフォメーション解析に関しては、研究発表覧に掲載した雑誌論文に報告した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Terukage Hirata: "Quantitstive Stnicture-Activity Rolationstips of Benzoylimino-thiazoline Derivatives as Angiotensin II Recptor Antagonist" Bioorg.Med.Chem.Lett.印刷中. (1997)
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[Publications] Takuya Suedo: "Evidence for Reversiblc Yilide Formation:Eguilibrium between Free Alkylidenecarbenes and Ethercal Soluant-Alkylidenecavbeue" J.Am.Chem.Soc. 118. 10141-10149 (1996)
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[Publications] Masahito Ochiai: "Hypenalent(terc-Butylperoxy)iodomes Generate Iodine-centered Radicals at Room Tempcrature in Solutions" J.Am,Chem.Soc. 118. 7716-7730 (1996)