1996 Fiscal Year Annual Research Report
1番染色体の移入可能な異なる部位を保持する細胞クローンの作製
Project/Area Number |
08772162
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
久郷 裕之 鳥取大学, 医学部, 助手 (40225131)
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Keywords | 細胞老化 / 微小核細胞融合法 / 染色体導入 / ヒト1番染色体 / Alu-PCR FISH / X線照射 / STF |
Research Abstract |
ヒト1番染色体上に存在する種々の遺伝病原因遺伝子、細胞老化に係わる遺伝子あるいはがん抑制遺伝子などの詳細なマッピングおよびクローニングを行う上で、微小核細胞融合法による導入可能な1番染色体断片を含む細胞クローンは極めて重要な資材になると考えられる。本研究において、これらの細胞クローンの資材作りを行うために、ヒト染色体の様々な領域に優性遺伝子マーカー(pSTneo遺伝子)をもつ700の細胞クローンからヒト1番染色体特異的プライマー(D1S547)を用いて、ヒト1番染色体を保持する7個のマウスA9細胞(Y-10,Y-14,Y-18,Y-23,H-22,Z-64,Q-13)を同定した。さらに、ヒト1番染色体およびその保持領域を確認するために、Alu-PCR FISHを行った。その結果、全てのクローンにおいて1q41-q43領域のみを含む断片化した染色体をもつ細胞クローンで、intactな状態で保持されているヒト1番染色体を含む細胞クローンを獲得することはできなかった。しかし、X線照射を用いて染色体を断片化させる過程が不必要になり、さらに複数のヒト1番染色体特異的プライマーを使用することにより、効率よく断片化した種々の領域をもつ細胞クローンを獲得できると考えられる。また、本実験により樹立した細胞クローン中のヒト染色体の状態およびpSTneo遺伝子の存在を検討するため、ヒトCot-1DNAおよびpSTneoDNAをプローブとして2color-FISHを行った。7クローン中5クローンは、独立で存在していたが、残る2クローンについては、マウス染色体と転座を起こしていた。さらに、全てのクローンにおいてヒト染色体上に選択マーカーが挿入され、G418を含む培地の使用により長期継代培養においても安定に断片化したヒト1番染色体が保持されていた。従って、本研究により、導入可能なヒト1番染色体の小断片領域を含む7個の細胞クローンの確立に成功したと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Oshimura,M.,Shimizu,M.,and Kugoh,H.: "Genetic regulation of Tebmerase in a multiple pathway medel to cellular senescence" Human Cell in press.
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[Publications] 押村光雄,田中宏美,久郷裕之: "テロメラーゼと細胞老化多経路説" 細胞工学. 15・11. 1541-1547 (1996)