1996 Fiscal Year Annual Research Report
続発性アミロイドーシスにおける血清アミロイドA蛋白C末端の動態に関する研究
Project/Area Number |
08772184
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山田 俊幸 自治医科大学, 医学部, 講師 (50211636)
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Keywords | 血清アミロイドA / アミロイドーシス / モノクロナル抗体 / エピトープ解析 / リコンビナント蛋白 / マウス実験アミロイドーシス / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
ラットに精製ヒト血清アミロイドA(SAA)を免役し、4種(反応パターンから)のモノクロナル抗体(MoAb)を作製した。合成ペプチドを用いたエピトープマッピングで2種が同定された(SAAの15位,30位に反応することからそれぞれanti-SAA15,anti-SAA30と命名)が、他は同定できなかった。そこで終末コドンを挿入しC末端を欠損したSAAcDNAを発現ベクターに組み込み、大腸菌にていく種かのC末端部分欠損SAAを作製した。これら修飾蛋白に対し、イムノブロット法で各MoAbの反応性を検討した結果、SAA90位とSAAC末端に反応するクローン(anti-SAA90とanti-SAA100)の存在がわかった。この2種類の抗体で、ヒトAAアミロイド組織を免疫染色したが,anti-SAA90は陽性染色されるものがあったが、anti-SAA100に染色される例はなく、ヒトAAアミロイド組織においてはSAAC末端が欠如していることが確認された。ヒトAAアミロイドの形成においては、SAAが線維化する以前またはその過程中にC末端の蛋白分解が起こることが示唆された。一方、アミロイド誘発中のマウスにヒトSAAを投与したところ、SAAが全分子のままでアミロイド沈着に取り込まれた。このことから、SAAC末端分解ひいてはSAAに対する異化作用がマウスモデルとヒトでは異なることが示唆された。今回得られた抗体は、アミロイド線維化のメカニズムを追及するうえで、また臨床的にもアミロイドの成熟度を知るうえで有用と考えられた。
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[Publications] 山田俊幸: "AAアミロイドーシスにおけるSAA C末端の挙動" リウマチ. 36. 36- (1996)
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[Publications] 山田俊幸: "ラット型抗SAAモノクロナル抗体の作製とエピトープ解析" 生物物理化学. 40. 246- (1996)
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[Publications] Tamada T: "Characterization of serum amyloid A4 as a plasma apolipoprotein" Clin Chim Acta. 251. 105-112 (1996)
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[Publications] Yamada T: "Amyloidogenic property of murine serum amyloid A isotyps" Jpn J Electroph. 40. 77-81 (1996)
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[Publications] Yamada T: "Both acute phase and constitutive amyloid A are present in the atherosclerotic lesions" Pathol Int. 47. 797-800 (1996)
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[Publications] 山田俊幸: "慢性関節リウマチにおけるSAA(血清アミロイドA)値" リウマチ科. 16. 417-418 (1996)