1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08772196
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
水野 照美 千葉大学, 看護学部, 助手 (90261932)
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Keywords | 癌性疼痛 / セルフケア / 癌看護 |
Research Abstract |
研究許可の得られた癌専門施設において、研究参加へ承諾の得られた外来通院患者8名(男性3名女性5名)に面接を行った。その結果、癌性疼痛のある在宅患者のセルフケアにかかわる以下の知見を得た。 1.癌性疼痛のある在宅患者の苦痛 持続する痛みがある場合、日常生活動作ができない、食事・睡眠がままならないという基本的欲求が実現されない苦痛、人の手を借りなければならない、自分の役割が果たせない、という存在に関する苦痛、気分が晴れない、人に会うのが辛い、ゆとりがないという苦痛を体験している。また、痛みの強さにかかわらず、自分がこの先どうなるかわからない不安、痛みが増強するのではという不安、なぜ自分にという苦悩、周囲への気がねから痛みを口に出せない苦痛、を体験している。疼痛緩和治療に関しては、副作用の可能性のある治療を受けざるを得ない苦痛、モルヒネを服用する不安、内服薬の効果的使用方法がわからない不安を体験している。 2.癌性疼痛のある在宅患者のセルフケア 疼痛緩和に関するものとして、鎮痛薬を定期的に内服する、良いといわれることはやって見る、疼痛を増悪させないものとして、自分にあった動き方や姿勢を見つけ出す、経過を良く観察し何をしたら痛むか見極める、痛み回避のため注意したり人手を借りたり環境整備をする行動を実施している。また、できることはなるべく自分でする、目標をたてる、新聞や本から治療の情報を得る、治療の希望について相談する、不安な点を相談する、開き直る、できる範囲で好きなことをする、抵抗を感じることはしないで様子を見る、家族に感謝し良い関係を築く、病気の良い面を見る、辛くても乗り越えた体験を思い出す、という行動を実施している。
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