1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08772209
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大谷 英子 大阪大学, 医学部, 助手 (70213759)
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Keywords | 食道癌 / QOL / 日常生活満足度 |
Research Abstract |
食道癌術後患者の問題を明確にするために、自覚症状・食事の摂取状況・社会生活の側面から実態調査を行った。対象は、食道癌術後2カ月から15年までの外来通院患者76名とその家族を対象とし、45歳から80歳の患者51名、家族43名から回答が得られた。データは、質問紙と病歴によって収集した。 1.自覚症状について:消化器症状は,発症率の高い症状から,「下痢」「逆流感」「胸のつかえ」「腹鳴」であった。自覚症状が軽い者ほど日常生活満足度は有意に高かった。患者の20%が「自覚症状によって生活に支障がある」と回答しており、術後年数との関連は認めなかった。指導では、自覚症状の詳しい説明を望んでいる者が多く、また20%の患者が医者や家族以外にも相談相手がほしいと答えていた。 2.食事摂取について:食事回数を退院後すぐに3回食にした者は20%であった。その理由として、分割食の手間よりも食後の消化期症状に対する恐れという心理的な原因があがっていた。食事量、および食事の満足度は健康時と比べて59.7%、64.8%と低下し、術後年数を経ても改善していない。満足度60%未満の群では、「おいしく食べれない」「量が食べれない」「努力しないといけない」と回答している者が有意に多く、特に「食事量」が満足度に影響する重要な要因であった。また、日常生活満足度と食事の満足度の関連を認めた。一方、術後1年未満の患者では食事に心配事を抱える者が66.7%であったが、食事指導のニーズは低く「簡単でよい」「必要ない」とする者が60%以上を占めていた。その理由として、内容が現状に即していない、問題が起きたときに聞きたいなどが挙がっていた。 これらより,自覚症状の予防・緩和、食事の満足度を高めることは、患者のQOLを高めるために重要であり、これらの指導内容や時期は患者のニーズに合っていない現状が明らかになった。とくに患者は退院後、自覚症状や心配事が出てきた時の適切な対応を求めており、また,患者の20%は,医師,家族以外の相談相手を望んでいた。従って、退院後の看護婦の継続した関わりを改善・強化していく必要があると思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Eiko Otani,Yoshihiro Kido et al: "Studies on Quality of Life (QOL) of Patients who Underwent Oesophagectomy for oesophageal cancer (1) Subjective symptoms" 9th Internatonal conference on cancer nursing. 122 (1996)
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[Publications] Yuko Yamamoto,Eiko Otani,et al: "Studies on Quality of Life (QOL) of Patients who Underwent Oesophagectomy for oesophageal cancer (2) Dietary behaviours" 9th Internatonal conference on cancer nursing. 122-123 (1996)
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[Publications] Yasuko Kume,Eiko Otani,et al: "Studies on Quality of Life (QOL) of Patients who Underwent Oesophagectomy for oesophageal cancer (3) Psychosocial phase" 9th Internatonal conference on cancer nursing. 123 (1996)