1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08772228
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
間瀬 由記 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60256451)
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Keywords | がん化学療法 / 通院・在宅患者 / 生活の質 / 継続看護 / Coping |
Research Abstract |
【研究方法】 1.対象:通院(大学病院)によりがん化学療法を受けている患者で面接の承諾が得られた6名(男性3名、女性3名)。平均年齢65.4歳。乳癌3名(術後補助療法)、肝臓癌3名(リザーバー留置)。2.調査方法・内容:独自に作成した半構成的質問紙をもとに、面積調査を実施。(1)人口統計的項目(2)治療経過と身体症状については、多肢自由選択法を用い、(3)療養生活上の困難や不安(4)困難や不安への対処方法(5)通院での化学療法に対する思いについて自由回答を得た。また栗原らの『がん薬物療法におけるQOL調査票』を併用した。承諾の得られた者は内容を録音した。3.分析方法:自由回答を逐語的に記録、療法生活上の困難や不安、その対処方法を表している部分を抽出し、カテゴリー化した。 【結果】 身体症状の主なものは、食欲の低下、倦怠感であった。その他にリザーバー留置の対象では、抗腫瘍薬注入後の腹部不快感や嘔気が現れていた。それを反映してQOL得点もリバーザー留置の対象の方が低かった。QOL得点をカテゴリー別にみると「社会性」において得点が低くなる傾向がみられた。療養生活上の困難や不安については「家族を煩わす」「治療への躊躇」「通院の時間と労力」「体力の低下」「仕事への支障」などが挙げられ、対処方法として「よい方向に考える」「バランスのよい食事」「休息をとる」「情報を得る」などが抽出された。療養生活に関して看護者よりアドバイスを受けた者はなく、自分で考えたり、家族の配慮と答えていた。また療養生活の方法、治療や予後についてマスメディアから情報を得た場合にどの情報を選択してよいのかがわからず、相談相手もいないため不安が増強することが明らかになった。対象数を増やし縦断的に調査することにより、援助内容とそのタイミングを具体的にすることが今後の課題である。
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