1996 Fiscal Year Annual Research Report
運動中の肝グリコーゲン分解におよぼす肝免疫細胞の影響
Project/Area Number |
08780107
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
矢野 博己 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助手 (20248272)
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Keywords | Kupffer細胞 / macrophage / glycogenolysis / prostaglandin / 塩化ガドリニウム / Fischer344rat / 肝glycogen / 肝循環 |
Research Abstract |
急性運動負荷初期に生じる,骨格筋の糖利用に先行して起こる肝グリコーゲン分解亢進には,肝マクロファージであるKupffer細胞と肝実質細胞間のcellular communicationが関与するかどうかについて研究を継続している. 今回は,肝グリコーゲン分解がマクロファージ機能抑制ラットの場合,抑制されるのかどうかについて,検討を行った.実験動物にはFischer344系雌性ラットを用い,Gadolinium chlorideを実験開始24時間前に尾静脈投与した.安静群,運動群に分類した.運動は,トレッドミルランニングを負荷した.運動終了後,腹大静脈および門脈より採血を行った.肝は脱血後摘出し,肝グリコーゲン含量を測定した.血糖値,乳酸値,血漿プロスタグランディンD2濃度を測定した. 運動負荷による血糖値の上昇及び肝グリコーゲン分解の亢進は観察されたが,Gadolinium chloride投与による,運動時の血糖値上昇抑制,あるいは肝グリコーゲン分解抑制は観察されなかった.しかし血漿PGD2濃度の動態からは,ラットにおける肝グリコーゲン分解作用へのマクロファージ機能抑制の影響は明らかにされず,今後さらに詳細な検討が必要であると考えられた. また急性運動がKupffer細胞の貧食能に及ぼす影響について,Fischer344系雌性ラットを用い,ランニングを60分間負荷し検討を行った.運動開始直前に蛍光ラテックス粒子を尾静脈投与し,運動終了後,肝は脱血,摘出後,凍結切片を作成し,蛍光顕微鏡下で肝に蓄積したラテックス粒子数を測定した.その結果,肝単位面積当たりのラテックス粒子数は運動群の方が高く,Kupffer細胞のラテックス粒子取り込み能の亢進の可能性が示唆された.しかしそのメカニズムについては明確にされなかった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 矢野博己: "運動中の血液需給システム食事直後に運動を控えるべきか-腹部内臓への血液循環-" 体育の科学. 46・10. 18-23 (1996)
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[Publications] 木下幸文: "異なる運動強度における血清グアナーゼ活性変動" 体力科学. 45・5. 527-530 (1996)
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[Publications] 矢野博己: "急性運動によるラット肝小葉中心静脈周辺域実質細胞ミトコンドリアの膨化" 体力科学. 46・1. 49-54 (1997)
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[Publications] Yano,H.: "Determination of oxygen uptake and work performance of female Fischer 344 rats to treadmill exercise" Kawasaki Journal of Medical Welfare. 2・2(印刷中). (1997)
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[Publications] Yano,H.: "Effect of voluntary exercise on maximal oxygen uptake in young female Fischer 344 rats" Japanese Journal of Physiology. 47・1(印刷中). (1997)