1996 Fiscal Year Annual Research Report
並列プログラムのアルゴリズムアニメーション作成システムの設計と構築に関する研究
Project/Area Number |
08780249
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 伸 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (00272691)
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Keywords | アルゴリズムアニメーション / 三次元視覚化 / 制約 / 並列プログラム / 宣言的 / 双方向変換モデル / 並列アルゴリズム / ビジュアライゼーション |
Research Abstract |
1.我々がこれまで研究してきた双方向変換モデルをさらに拡張し、並列/分散アプリケーションの視覚化及びアニメーション化をモデル内で定式化した。我々のこれまでのモデルでは、アプリケーション内で実行された操作が一度に一つしか行われないと仮定していて、この操作列によってアプリケーションの状態が変更されていくというようになっていた。しかし、これでは、並列プログラムのアニメーション動作を表示するのに問題がある。そこで、複数の状態を飛び越えて実行される、ある状態からある状態までの操作というものを表現できるようにした。具体的にはfrom(where,id)/to(where,id)という遷移操作(アニメーション内でのオブジェクトの動き方に相当するもので、アプリケーションの操作に対応付けることで、ユーザはアニメーションの動きを指定することができる)を用意した。このfrom/toのペアで指定されたオブジェクトは、それらが現れる状態間で(その間に実行される複数の状態遷移を表わすアニメーションとは独立に)一つの動きをする。これにより、ある物体が遷移中に別な物体が動作を始める、といった並行性を視覚化することを可能にした。 2.このモデルに基き、並列アルゴリズムのためのアニメーション作成システムを構築した。本システムは、(1)アプリケーションのデータや操作を変換して絵の列を生成し、アニメーションを行うための絵の差分列を生成するMapperと、(2)Mapperの出力である絵の差分列を実際に画面にアニメーション表示するViewer、との二つからなる。Mapperは並列理論型言語KLICおよびC言語で実装し、また、ViewerはSGI/Windows/X-Window Systemという3つの異なる環境で実装したため、かなり広い範囲の計算機環境で使用することができる。このシステムを用いて、N-Queen問題などを例題に実際にアニメーションを作成した。
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