1996 Fiscal Year Annual Research Report
2次元自己回帰モデルを用いた高速逐次最小2乗法の有限精度演算誤差に対する安定化
Project/Area Number |
08780256
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
堀田 英輔 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (00262551)
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Keywords | 2次元ARモデル / 2次元逐次最小2乗法 / 高速算法 / 数値的安定性 |
Research Abstract |
研究の目的について 画像処理の分野では,C.R.Zou等により2次元ARモデルに基づく高速な逐次最小2乗法のアルゴリズムが提案されている.本研究代表者は,時間と空間の2次元信号のパワースペクトルを高精度かつ高速に推定するために,C.R.Zou等のアルゴリズムを改良した手法を提案した.しかしながら,この2次元高速逐次最小2乗法(method of fast recursive least-squares:FRLS法と略す)のアルゴリズムは,計算機の有限精度演算による誤差の影響を受けやすく,数値的に不安定である.本研究では,2次元FRLSアルゴリズムを,計算機の有限精度演算誤差に対して安定にするための検討を行った. 研究実施計画について 1次元のFRLSアルゴリズムにおいて,その数値演算誤差に対する安定化手法としてよく知られているものに,アルゴリズム中へのリ-ク技術の導入がある.本研究では,最初に,1次元のFRLSアルゴリズムと同様に,2次元FRLSアルゴリズム中へリ-ク技術の導入を試みた.しかしながら,実験の結果,アルゴリズムの十分な安定化を達成することができなかった.従って,2次元RLSアルゴリズムの段階からリ-ク技術の導入を行い,それを高速化することでリ-ク技術が導入された2次元FRLSアルゴリズムを開発した.安定化された2次元FRLSアルゴリズムは,リ-ク技術が導入された2次元RLSアルゴリズムと同様に,数値的に安定となることが理論的に明らかである.また,実験の結果,本手法はリ-ク係数を適切に与えることで,数値的に安定となることが確認された.
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[Publications] 堀田英輔: "スペクトル推定のための2次元ARモデルに基づく高速逐次重み付き最小2乗法" 電子情報通信学会論文誌(A). J79-A・10. 1766-1769 (1996)
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[Publications] Eisuke Horita: "A fast recursive least-squares with a werghting factor based on a 2-D NSHP AR model and Its application to spectral estimation" Proc.of 1996 IEEE Digital Signal Processing Workshop. 7. 339-342 (1996)
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[Publications] 堀田英輔: "時変信号のための数値的に安定なRLSアルゴリズムの提案" 電子情報通信学会技術研究報告〔ディジタル信号処理〕. 97・6月(予定). (1997)