1996 Fiscal Year Annual Research Report
色彩完成空間を用いた画像メディアからの感性情報抽出の研究
Project/Area Number |
08780339
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
堀田 裕弘 富山大学, 工学部, 講師 (80209303)
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Keywords | 感性情報処理 / 色彩感性 / マンセル表色系 / PCCS / SD法 / ポテンシャル空間 / 色彩感性因子 / 光源色 |
Research Abstract |
本研究では、色彩感性空間を用いた画像メディアからの感性情報抽出のための基礎的な検討を行った。感性空間を構築する前段階として、単色における色彩感性空間を構成する因子の抽出と特徴の解析を行った。そしてこれらの因子の値を推定するための補間法を検討した。 具体的な研究成果は、以下の通りである。 1)マンセル色票(物体色)ではなくCRT(光源色)を用いて、PCCSの全201色に対してSD法に基づいた膨大な評価実験を行った結果、単色における色彩感性空間は3個の因子から構成されており、それぞれの因子をその特徴からEvaluation,Potency,Activityと名付けた。これらは、過去の類似した研究とほぼ一致していた。 2)得られた3因子が形容詞対の言語構造に関係しているかどうかを調べるため、暖色系と寒色系の色刺激を評価したときの因子を解析した。その結果、「暖かい-冷たい」と関係が強い因子が第1因子として得られたことにより、色彩感性空間を構成する3因子は色刺激に関連している結果であることが確かめられた。 3)因子得点を推定するにあたり、推定精度の目標を考察した。全201色に対し、各因子得点の個人ばらつきを求め、この95%信頼区間を求めた。その結果、各因子には±0.3程度の誤差があると考えられ、これを推定誤差の目標とした。 4)ポテンシャル補間を用いるため、3種類の色空間(Munsell色空間,CIE L^*a^*b^*,CIE L^*u^*v^*)での補間を検討した結果、CIE L^*a^*b^*色空間が最良の結果となった。また、最大誤差は若干大きいものの、平均誤差は推定精度の目標である±0.3を達成していたことより、この補間法はこれまでの研究成果では得られなかった実用可能なレベルであると考えられる。
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[Publications] Yuukou Horita: "Extraction and Estimation of the Sensitivity Information of Color" proc.of the 8th Congress of the International Color Association,Ktoyo (May,発表予定). (1997)
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[Publications] 堀田裕弘: "単色における色彩感性の空間構成因子の抽出と推定II" 映像処理メディア学会技術報告HIR97-30. HIR97-30. 23-28 (1997)
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[Publications] 堀田裕弘: "単色における色彩感性の空間構成因子の抽出と推定" 電子情報通信学会学会技術報告PRMU96-69. PRMU96-69. 9-16 (1996)
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[Publications] 堀田裕弘: "単色における色彩感性空間構成因子の基礎検討" テレビジョン学会年次大会論文集. 30-6. 434-435 (1996)
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[Publications] 宮本 剛: "ニューラルネットワークを用いた単色の感性因子の学習" 電気関係学会北陸支部大会論文集. F-37. 352- (1996)