1996 Fiscal Year Annual Research Report
地域連携を考慮した公共交通サービスの評価に関する分析
Project/Area Number |
08780425
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
高梨 誠 鳥取大学, 工学部, 助手 (70252880)
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Keywords | 地域連携 / 公共交通サービス / 最短所要時間 / 乗換回数 / 待ち時間 / 滞在可能時間 / 交通抵抗 |
Research Abstract |
本研究では、時刻表データから最短所要時間、乗換回数を求め、都市間移動における交通抵抗として取り扱った。また、移動速度や待ち時間等もあわせて算定し、算出されている過去の結果と比較検討し、公共交通の利便性・サービス水準を明らかにした上で、都市間の連携にとって重要と思われる点を交通軸整備の立場から評価した。 まず、国土軸、および地域連携軸の形成過程について把握し、その中でも交通軸が中枢をなすと考え、交通機能の現状について調べた。それらを元に研究の対象となる都市を36ヶ所選定し、入力データとしてはJR;航空機、空港連絡バス等、乗換標準時分などを用いた。それから、従来より用いていた計算方法(ベルマンの最適性原理を応用)によって最短所要時間を算定し、演算時間の短縮を図った。そして、都市間の距離(直線距離)から速度を求め、地域連携において重要となる「移動のし易さ」を評価した。さらに、目的地となる都市において、どのくらいの時間滞在することができるかを示す「滞在可能時間」を算定し、都市間の結び付きを評価した。この際、出発時刻を午前6時、8時、10時の3種想定した。都市間を移動するとき、乗換や待ち時間が多いと心理的な都市間距離は長く感じられると思う。そこで、都市間の乗車時間に重み付けを行ってさらに評価した。購入した設備備品(パソコン)はこれらの入力、算定で非常に役立った。結果として、例えば山陰と四国を結ぶ(鳥取-高知)地域連携軸においては、交通抵抗が極めて高いという値が出た。距離にして約210kmにもかかわらず、平均乗車時間が大きく交通基盤の弱さが指摘される。また、長野から北陸方面も同様の結果となっているが、これらは地形的な要因も無視できない。近距離(地域連携では重要)の公共交通機関のサービス水準が低いことから、これからさらなる基盤整備が必要であり、また適切な機能分担も図っていく必要があると思われる.
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