1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08780445
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
湯上 登 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (60220521)
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Keywords | イオン音波 / 分散関係 / 高速イオン / 共鳴吸収 / 静電ポテンシャル |
Research Abstract |
短パルスマイクロ波を用いて共鳴領域において大振幅イオン波の励起実験を行っている。用いているマイクロ波は、周波数f=2.86GHz、パルス幅80ns、最大出力10kWである。この周波数の共鳴プラズマ密度は、n=1.0×10^<11>cm^<-3>である。実験には放電によってアルゴンプラズマを生成し、その最大密度はn=2.0×10^<11>cm^<-3>で、密度勾配の特性長Lは、150-200cmである。またプラズマ温度T_eは、3-5eVである。 マイクロ波パルス入射後、1μs後程度からイオン波が励起されはじめ、そのイオン波は低密度側(ホーンアンテナ側)に、実験パラメータから算出されるイオン音波の速度C_sの一桁以上の伝搬速度で伝播しはじめ、短波長化しつつ減速し、2.5μs後に最大振幅40%以上に達する。その後も減速しながら、2〜3C_sの速度に漸近し、波の振幅は減衰する。このような波の分散関係は、線形理論で予測されるω=C_skを満たさず、これまでの理論では説明がつかない。また、マイクロ波入射後、1μs後から波が励起されることから、共鳴領域で発生した高速電子の関与も少ないと考えられる。この波の位相速度が、イオン波の伝搬速度程度に漸近することから、共鳴領域で発生した静電ポテンシャルで加速を受けたイオンによるものであると考えた。 このような波の励起を説明するために、高速のイオンバンチがプラズマ中を伝播するモデルを考えた。この結果を用いて実験で得られた波の概形と比較したところ、非常によい一致を見た。このとき、イオンバンチの速度は、10C_sを用いた。また、このイオンの速度が時間とともに減少するとき、計算から得られる波の波長も実験と同様に短波長化する。このことより、実験においても高速イオンが存在していることが予測される。現在、高速イオンの存在を確認するため、ファラデーカップによる計測を行っている
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Ito,et.al: "Formation of Duct and Self-Focusing in Plasma by High Power Microwave" Physical Review Letters. 76. 4540-4543 (1996)
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[Publications] N.Yugami et.al: "Mach Cone Structure Generation by the Interaction of a Short Microwave Pulse with a Plasma" Plasma Phys. and Controlled Fusion. 38. 751-1238 (1996)
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[Publications] T.Ueki et. al: "Observation of Controlled Intermittent Chaos in Ion-Beam-Plasma Instabilities" Physical Review Letters. 76. 4171-4174 (1996)
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[Publications] X.Xu et.al: "Frequency Up-shift in the Interaction of a High Power Microwave with an Inhomogeneous Plasma" Physical Review E. (印刷中). (1997)