1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08780484
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長崎 百伸 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助手 (20237506)
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Keywords | プラズマ / マイクロ波 / ヘリカルシステム / 偏波器 |
Research Abstract |
従来、ヘリカル系トーラスプラズマ閉じ込め装置では、電子サイクロトロン共鳴加熱(ECH)のためのマイクロ波入射偏波面は共鳴磁場方向に合わせて決定されてきた。また、プラズマ中のEC波の伝搬・吸収を調べるためのレイトレーシング計算ではWKB近似を用い、X波とO波は独立に伝搬すると仮定してきた。しかしながら、ヘリオトロン/トルサトロン配位のヘリカル系では強い磁気シア-が存在するため、入射ミリ波がプラズマと結合してEC波となるプラズマ境界面での磁場方向は共鳴磁場と比較して40度程度の傾きをもち、また、プラズマ中での磁気シアのためにX波とO波が独立して伝搬できずに伝搬経路に沿ってその比率を変えてゆくため、入射条件は磁気シア-に依存することが予想される。 今回、ヘリオトロンEにおいて、本研究で開発した波形偏波器を106GHzECH伝送系に取り付け、磁気シア-の効果について実験的に調べた。その結果、電子温度分布は入射偏波面に強く依存し、そのピ-キング度η=Te(0)/Te(a/2)は1.5から2.4まで変化することがわかった。これは、加熱分布がX波による局所加熱からO波による一様加熱まで変化していることを示唆している。また、パワー吸収分布が局在化しTe分布が最もピークする入射条件は、アンテナからの入射波電波方向が共鳴磁場方向と垂直ではなく、垂直から約30度傾いたときであった。この実験結果は、磁気シア-の効果を入れた伝搬方程式の数値計算結果と一致した。したがって、ヘリカル系でのECH入射では磁気シア-を考慮に入れて入射条件を決定する必要がある。この物理機構はヘリオトロン/トルサトロン配位に共通なので、ヘリオトロンE以外のCHSやLHDにも当てはまる。 なお、第3回プラズマ中の大電力マイクロ波に関するワークショップ(ロシア、8月)に出席し、本研究結果を招待講演として発表した。
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[Publications] K.Nagasaki: "Parameter Study of 106GHz Second Harmonic ECH Plasuma in Heliotron-E" 23rd EPS Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics. 57-57 (1996)
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[Publications] K.Nagasaki: "Waveguide Transmission Line for 106GHz Extron Cyclotron Hoathing in Heliotron-E" Fusion Technology. (1997)
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[Publications] K.Nagasaki: "Second Harmonic ECH Experiments on Heliotron-E" Strong Microwaves in Plasmas. (1997)
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[Publications] K.Nagasaki: "ECE Diagnostics Using Multi-Channel Radiomoter in Heliotron-E" Fusion Engineering and Design. (1997)
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[Publications] T.Obiki: "Effects of ECH on NBI Plasmas in Heliotron-E" 16th IAEA Fusion Energy Conference. (1997)