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1996 Fiscal Year Annual Research Report

環境汚染物質の影響評価のための肺胞モデル培養系の作製

Research Project

Project/Area Number 08780514
Research InstitutionNational Institute for Environmental Studies

Principal Investigator

古山 昭子  国立環境研究所, 環境健康部, 研究員 (20177661)

Keywords肺胞モデル培養系 / 肺胞上皮細胞 / 線維芽細胞 / 環境汚染物質
Research Abstract

本研究では環境汚染物質の肺への影響を評価し、その毒性発現機構を解明するために、肺を構成する細胞間の相互作用に注目して肺胞構造を模した培養系の作製を試み、環境汚染物質のIn vitro暴露法の検討を行った。
ラット2型肺胞上皮株細胞は、肺胞壁間質に相当する基質としてのコラーゲンゲル上で単独に培養した場合にはタイトジャンクションは形成するが、基底膜は形成されなかった。コラーゲンゲル中に肺線維芽細胞を包理した場合に上皮細胞下に基底膜が形成され、より1型肺胞上皮細胞に近い形態をとり、1型上皮細胞表面マーカー発現が増加し、上皮組織の電気抵抗が増加したことから、肺実質組織を模したこの系では上皮細胞の機能分化と極性が発現したものと考えられた。血管内皮細胞の存在は上皮細胞に影響を与えなかった。肺線維芽細胞順化培地存在下で風乾コラーゲンゲル上に肺胞上皮細胞を培養しても基底膜が形成されたことから、肺胞上皮細胞と血管内皮細胞から構成される肺胞部分を再現する系の作製の可能性が示唆された。
この肺胞モデル培養系に、大気汚染物質としてオゾン、さらにオゾンの作用型であるラジカルを発生する溶液状物質の過酸化水素の暴露を試みた。過酸化水素溶液暴露は肺胞上皮細胞に濃度・時間依存的に上皮組織の電気抵抗の減少やアポトーシスの増加、細胞剥離などの傷害を与えた。オゾンは培養系を入れた密封型のチャンバーに一定濃度のオゾンを導入することにより暴露を行ったが、影響は認められなかった。上皮組織の乾燥を防ぎながらガス状物質暴露を可能にするためにはさらに暴露方法の検討が必要である。

URL: 

Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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