1996 Fiscal Year Annual Research Report
Ca^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼIIの分子的多様性の解析
Project/Area Number |
08780574
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
竹内 昌之 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40226999)
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Keywords | プロテインキナーゼ / カルシウムイオン / カルモデュリン / アイソザイム |
Research Abstract |
Ca^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(キナーゼII)の分子的多様性を解析するために、ノーザンブロットでキナーゼIIの転写産物を検索したところ、キナーゼIIαのcDNAの3'末端側プローブにのみ反応し、5'末端側プローブには反応しないmRNAが、ラット骨格筋に検出された。この結果は、キナーゼIIαのN末端側のキナーゼドメインを持たないが、C末端側と同じ配列を持つ新規タンパク質が骨格筋に存在する事を、示唆していた。 ラットの骨格筋から抽出したmRNAを試料に用いて、cDNAライブラリーを作製し、キナーゼIIαのcDNAの3'末端側をプローブとしてスクリーニングした。得られた陽性クローンの塩基配列を解析した。このcDNAクローンは、200アミノ酸残基からなる分子量22、583のタンパク質(αKAP)をコードしており、αCaMキナーゼIIのC末端側の配列315〜478に対応し、キナーゼドメインは無かった。N末端の25アミノ酸残基は、αCaMKキナーゼIIには含まれない非常に疎水性の高い領域であった。従って、新規タンパク質αKAPは、膜タンパク質、或は、分泌タンパク質であること強く示唆していた。 キナーゼIIαのC末端のアミノ酸配列のペプチドを合成し、この合成ペプチドに対する抗体を作製した。得られた抗体を用いて、細胞分画法により、αKAPのラット骨格筋における細胞内局在を調べると、核画分及び膜画分に検出され、細胞質画分には検出されなかった。また、大腸菌で組換えタンパク質としてαKAPを発現させ、この組変えタンパク質と骨格筋中のαKAPを、ウエスタンブロットで比較したところ、同一の分子量であった。これらの結果から、αKAPは、N末端に疎水性部位を有する膜タンパク質であると推定された。 αKAPの組織分布を、ノーザンブロットにより解析したところ、主に骨格筋、心筋に発現が検出された。従って、αKAPは筋収縮などの筋肉の生理機能に関与している可能性が考えられる。
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Research Products
(1 results)