1996 Fiscal Year Annual Research Report
阻害因子の設計をめざした細胞内情報伝達の制御ネットワークの解析
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08780604
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
白水 美香子 理化学研究所, 細胞情報伝達研究室, 研究員 (70280732)
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Keywords | Ras / Rac / Cdc42 / RalGDS / Raf-1 / PC12細胞 / シグナル伝達経路 |
Research Abstract |
PC12細胞においてデキサメタゾンにより発現を誘導する系を用いて解析した結果,優性抑制型Ral,Cdc42について,NGFによる神経様突起形成に対して阻害効果がみられた.したがって,これらの因子は正常なジグナル伝達においても重要であることが示唆され,発癌型Rasに特徴的な経路に位置する可能性は低いと考えられた.また,PC12細胞において優性抑制型または活性化型のRho,Rac,Cdc42などをGFPと同時に一過的に発現させ解析を試みているが,さらに系を改良した後,MAPKの活性化をひきおこすが,分化を誘導できないRas変異体と組み合わせて解析を行いたい. 一方で,各Ras変異体について,RalGDS,PI3Kとの結合能,さらに,分裂酵母におけるRasのターゲットでCdc42ホモログの活性化因子であるScdl/Rallの活性化能についても解析を行った.また各Ras変異体のRaf-1活性化能についても解析を行った.その結果,Raf-1を活性化できるが,突起を形成できない変異体は,RalGDSおよびPI3Kとの結合能は保持しており,Scdl/Rallの活性化能は喪失していることがわかった.したがって,その変異体のRalGDSおよびPI3Kの活性化能を調べると同時に,哺乳類におけるScdl/Rallホモログの探索をめざしたい.また,発癌型Rasによりtransformした細胞形態を正常に戻す低分子量GTP結合タンパク質であるRaplAは,Raf-1にはRasより弱く,RalGDSにはRasより強く結合するが,31番目のアミノ酸残基をRaplA型に変異したRasは,Raf-1との結合能が低下し,RalGDSとの結合能が野生型Rasに比べ上昇していた.つまり,31番目の残基がRaf-1/RalGDSに対するRas/RaplAの特異性を決定する主要な残基であることが明らかとなった.
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[Publications] Yokomizo,H.: "Augmentation of Immune Response by an Analog of the Antigenic Peptide in a Human T-cell Clone Recognizing Mutated Ras-derived Peptides" Human Immunology. (in press).
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[Publications] Akashi,S.: "Detection of Molecular Ions of Non-Covalent Complexes of Ras・GDP and Ras・GppNp by MALDI-TOFMS" J.Mass Spectrom.Soc.Jpn.44. 269-277 (1996)
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[Publications] Akasaka,K.: "Differential Structural Requirements for Interaction of Ras Protein with Its Distinct Downstream Effectors" J.Biol.Chem.271. 5353-5360 (1996)
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[Publications] Shinkai,M.: "Difference in the Mechanism of Interaction of Raf-1 and B-Raf with H-Ras" Biochem.Biophys.Res.Commun.223. 729-734 (1996)