1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08780657
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
梅津 桂子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (20223612)
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Keywords | 染色体異常 / 欠失変異 / ゲノムの再編 / ヘテロ接合性の喪失 / 出芽酵母 |
Research Abstract |
染色体欠失については分子レベルでの発生メカニズムを示唆するに足る情報は非常に少ない。そこで、染色体欠失の頻度や染色体切断点の決定といった現象そのものを充分に解析することから始めて、その分子レベルでのメカニズムを解析する上での端緒とすることを目指している。この為には多数の細胞集団から特定の染色体領域に欠失を生じた細胞を選択する系を確立することが不可欠となる。酵母染色体に挿入したマーカー遺伝子の喪失を指標として、染色体欠失を検出することが可能かどうか検討してたところ、薬剤(5-フルオロオロチン酸)でカウンター選択できるURA3遺伝子マーカーとして用いた実験では、染色体欠失が染色体喪失や相同染色体間の交叉によるマーカーの喪失と同じ程度のレベル(10^<-4>〜10^<-5>)で容易に検出されることが判った。遺伝子の点突然変異よるものは検出されていない。得られた染色体欠失例をパルスフィールド電気泳動で解析したところ、欠失の程度は約20から65kbの範囲のかなり大きなものであることが判った。これらは野生株から検出された染色体欠失としては最初の例である。現在は2つのマーカーを用いることで染色体欠失を効率良く検出する系を構築中である。また、集めた欠失例について染色体の切断点を塩基配列レベルで解析するためには、確実かつ容易に欠失領域を決定する方法を確立する必要がある。多数の細胞を解析する必要がある点から、特定領域について定量的PCRを行うことで該当領域の染色体コピー数を決定する方法について検討している。プライマーを蛍光ラベルすることにより、DNA配列自動解析装置を用いて複数の領域について同時に確実な定量を行う方法が可能になると考え、現在、その構築を進めている。今後、多数の細胞集団を用いて解析を行えば、染色体欠失の部位特異性や発生メカニズムを解析していく上で充分な情報が得られるものと考えている。
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