1996 Fiscal Year Annual Research Report
新しい遺伝子ファミリーMAGUKSに属する膜裏打ち蛋白質ZO-1/ZO-2の解析
Project/Area Number |
08780676
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 雅彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (70270486)
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Keywords | ZO-1 / ZO-2 / カドヘリン / カテニン |
Research Abstract |
ZO-1/ZO-2は細胞間の接着部位に存在する膜裏打ち蛋白質で、膜蛋白質を細胞内の特定の領域に局在化させる働きを担っていると予想される。この予想を裏付ける根拠の一つとして、MAGUKs(Membrane Associaed Guanylate Kinase Homologs)と名付けられた、類似した構造を有する一群の分子の存在が上げられる。その分子群は、ほとんどが上皮細胞や神経細胞など特定の細胞のある特殊な膜領域の裏打ちに存在している。本年度は、ZO-1/ZO-2のそうした一次構造上の特徴が、細胞内での機能にどう結びつくかということを、培養細胞へのトランスフェクション、in vitro結合実験などの手法により解析を行った。 ZO-1は、上皮細胞のみならず線維芽細胞においても細胞間接着部位に局在している。この場合ZO-1は、カドヘリン-カテニン系と相互作用していることが細胞内での分布パターンから予想される。そこで、これらの分子間相互作用について詳しく解析するため、ZO-1を他のMAGUKsと類似性のあるN末側と類似性のないC末側に分けた形で線維芽細胞に発現させた。その結果、N末側分子が細胞間接着部位に局在したのに対し、C末側分子はアクチンフィラメントに沿って分布することが明らかとなった。このことは、ZO-1がMAGUKs間で相同性のある領域で細胞膜側と結合し、C末側を通して細胞骨格とのcrosslinkに働いていることを示唆している。さらに、N末側をトランスフェクトした細胞を免疫沈降法により解析すると、カドヘリン-カテニン複合体とZO-1のN末側分子が共沈するという結果が得られた。また、ZO-1がカドヘリン-カテニン複合体のどの分子に直接結合するかを、大腸菌およびバキュロウイルスを利用した組み換え分子を用いて解析したところ、αカテニンに対して特異的な結合を示すことが明らかとなった。
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[Publications] Y.Ando-Akatsuka,M.Saitou,T.Hiraga,M.Kishi,A.Sakakibara,M.Itoh,S.Yonemura,M.Furuse & S.Tsukita: "Interspecies diversity of the occludin Sequence cDNA cloning of human,mouse,dog,and rat-kangaroo homolognes" Journal of Cell Biology. 133. 43-47 (1996)