1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08780720
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大竹 和嘉 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (10168966)
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Keywords | ホメオスタシス / 自律神経系 / 視床室傍核 / 孤束核 / Barrington核 / 視床下部 / ストレス / CRF |
Research Abstract |
自発性および反応性行動は多様な環境刺激を並列処理する神経回路群の作用により形成され、ホメオスタシスは維持されている。本研究においては、生体のホメオスタシスを乱す様々な環境刺激に対して、視床、特に大脳皮質の臓性・辺縁領域や中隔側坐核に投射し、それらとともに辺縁前"基底核-視床-皮質"回路を構成している視床室傍核を中心とした広汎性視床皮質投射系が反応性の行動(ストレスに対する防御行動など)や自律神経系の変化は発現する機序に関する形態的基盤を確立することを目的として、抱水クロラール麻酔(400mg/kg,i.p.)SD系ラット(200--250g)を用いて以下の2種類の実験を行った。 【1】臓性の求心性入力が孤束核(自律神経系の主要中継核)で中継された後、上行して視床に達する経路を2種類のトレーサー(順行性および逆行性)を用いて解析した。その結果、孤束核から直接投射する経路以外に、分界条床核、視床下部側部、不確帯、扁桃体中心核、背側縫線核、中脳中心灰白質、結合腕傍核などを介する複数の間接的経路も存在することが明らかになった。 【2】さまざまな環境刺激に対する生体の反応は、大脳皮質下前脳が関与する行動的要素と、主として脳幹網様体が関与する自律神経系の要素があり、両者は互いに結合され、関連している。この結合がいずれのニューロンレベルでおこるのを調べるために、2種類の逆行性トレーサーを視床正中核と腰髄の中間外側核に注入した。二重標識細胞すなわち視床と脊髄の両方に側枝を派生するニューロンは、背側橋被蓋、特にBarrington核、背外側被蓋核に存在した。免疫組織化学を併用した結果、これらのニューロンの大部分がcorticopin releasing factor陽性ニューロンであった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ruggiero,DA,Mtcui,EP,Otake,K,& Anwar,M: "Vestibular affevenls to the chrsal Vagal complex : substrate for vestibular-autonomic cnteraction in the rat." Brain Research. 743. 294-302 (1996)