1996 Fiscal Year Annual Research Report
RT-PCR法による単一ニューロンのカルシウム結合タンパクmRNAの解析
Project/Area Number |
08780782
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
都筑 馨介 群馬大学, 医学部, 講師 (60222139)
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Keywords | マルチプレックスPCR / パッチクランプRT-PCR法 / カルシウム結合タンパク / 神経ペプチド / 非錐体ニューロン |
Research Abstract |
大脳皮質のニューロンは形態学的に錐体細胞と非錐体細胞に分類される。非錐体細胞は多様であり、発火パターンや、カルシウム結合タンパク、神経ペプチドの発現が異なるものが存在することが知られている。本研究ではパッチクランプRT-マルチプレックスPCR法を用いて、非錐体細胞のインパルス発火と発現しているカルシウム結合タンパク、神経ペプチドのmRNAの関係を解析した。ラット前頭皮質急性スライス標本にホールセル・カレントクランプ法を行った。皮質非錐体細胞は100Hz程度の高頻度のインパルスを発射するもの(fast spiking cells,FS)、50Hz程度のインパルスを発するもの(regular spiking nonpyramidal cells,RSNP)、インパルス発射の頻度が不規則なニューロン(irregular spiking cells,IS)の3種に分類された。電気生理学実験終了後、細胞質のmRNAをパッチ電極に回収し、逆転写反応を行い、3種のカルシウム結合タンパク(calbindin (CB),parvalbumin (PV),calretinin (CR))と4種の神経ペプチド(neuropeptide Y (NPY),vasoactive intestinal polypeptide (VIP),somatostatin (SS),cholecystokinin (CCK))のプライマー、合わせて7種14本を同時に加えてマルチプレックスPCRを行った。FS細胞は、カルシウム結合タンパクPVとCBを単独または共存して発現するとともに、半数以上の細胞で神経ペプチドを一種類以上発現していた。RSNP細胞はカルシウム結合タンパク、神経ペプチドとも様々な組み合わせで発現していた。IR細胞はカルシウム結合タンパクCRと神経ペプチドVIPを共存して発現していた。
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