1996 Fiscal Year Annual Research Report
覚醒ネコの水平性および垂直性視運動性眼振の定量的解析
Project/Area Number |
08780785
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
北間 敏弘 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60272902)
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Keywords | 視運動性眼振 / 視運動性後眼振 / 眼球運動 / 覚醒ネコ |
Research Abstract |
視覚機能を安定化するのに重要な視運動性眼振(OKN)および後眼振(OKAN)の性質を覚醒ネコを用いて解析した。眼球位置・速度信号および視覚刺激信号を、実験時コンピューター(Apple,Power Macintosh)にデータ記録解析用ソフトを用いて記録・解析した。また解析結果をレーザープリンター(EPSON,LP-9100PS2)を用いて出力した。 視運動刺激の開始直後、OKNの緩徐相速度(SPV)は急速に増加し、その後水平刺激ではSPVは徐々に増加し定常状態に達した。上方刺激ではSPVの緩徐増加は水平刺激のそれより小さいが認められ、下方刺激ではほとんどみられなかった。40°/sまでの水平刺激に対し、定常状態のSPVは刺激速度の増加に伴い直線的に増加したが、それ以上では減少した。上方刺激では20°/sまでの刺激に対してSPVは増加したが、水平よりも小さかった。一方、下方刺激では刺激速度を上げても数°/sまでしか誘発されなかった。OKANは水平刺激の場合の方が、垂直刺激よりも強く誘発された。また下方刺激よりも上方刺激で強く誘発された。 次に、側臥位のネコに左右方向および上下方向のOKNを誘発して正常頭位と比較した。垂直性OKN、OKANのSPVは側臥位で正常頭位より増大した。水平性OKN、OKANは側臥位で減少した。上下方向を比べると、側臥位では上向き刺激によるOKNは下向きの場合より大きく、正常頭位と同様に上方向の優位性が認められた。水平性OKNでは側臥位の場合、重力方向に向かう刺激で誘発されるSPVは低値を示し、重力方向と反対向きでのSPVは高値を示した。頭部傾斜により、OKNとOKANのSPVが修飾を受け、重力方向における反応が減少することが示唆された。
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