1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08780794
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松崎 竜一 関西医科大学, 医学部, 助手 (70239002)
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Keywords | 視床大脳皮質投射 / 前頭前野 / 視床 / 大脳皮質フィールド電位 / 大脳基底核 |
Research Abstract |
大脳基底核より視床(背内側核、前腹側核など)を介して大脳皮質前頭前野へと至る経路を検索するために、まず視床-大脳皮質前頭前野投射について大脳皮質フィールド電位を用いて検討した。サルの前頭前野、運動前野を中心に皮質表面と表面より2.5〜3.0mmの皮質深部に慢性記録電極を設置した。また、同時に、微小電気刺激用の電極を挿入するためのチェンバーも取り付けた。覚醒下でエルジロイ電極を視床の存在領域の各所に刺入し、微小電気刺激を行い、その際に誘発される大脳皮質フィールド電位を記録した。 この時、以下の4種類の電位が記録された。1,主溝背側壁、腹側壁及び、その周辺領域(主にBrodmannの9野)の一部に皮質表面陽性、深部陰性電位。2,運動野(Brodmannの4野)及び、運動前野(Brodmannの6野)に皮質表面陽性、深部陰性電位。3,運動野より弓状溝領域にかけて(Brodmannの4野、6野、8野)、皮質表面陰性、深部陽性電位。4,体性感覚野(主にBrodmannの1野)に皮質表面陰性、深部陽性電位。電位の極性から1、2は深層性視床大脳皮質投射、また、3、4は浅層性視床大脳皮質投射によるものと考えられる。3には視床での刺激部位と大脳皮質での電位分布との間に一定の局在が認められた。 今後、以下の研究を計画している。 1,尾状核、腹測線条体を中心に大脳基底核を電気刺激して大脳皮質フィールド電位を記録し、その前頭前野への投射領域を調べ、上記結果を踏まえて視床での中継部位を検索する。 2,実験終了後、微小電気刺激用電極のトラックを組織学的に再構成し、視床での中継核及び、大脳基底核での刺激部位を形態学的に同定する。
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Research Products
(1 results)