1996 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子ターゲッティング法を用いた色素性乾皮症G群モデルマウス系統の樹立
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08780807
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
原田 良信 放射線医学総合研究所, 第2研究グループ, 主任研究官 (90192707)
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Keywords | 色素性乾皮症G群 / 除去修復 / 紫外線 / マウス / 遺伝子ターゲッティング / ES細胞 |
Research Abstract |
ヒトの遺伝病である色素性乾皮症G群のマウスホモログであるxpg遺伝子のエクソンに突然変異を起こさせたターゲッティングベクターを用い、変異ESクローンを選択し、キメラマウスを得た。このキメラマウスをC57BL/6マウスと交配し、F1マウスを得た。F1マウスは外見上正常マウスと差異は認められず、またその細胞は紫外線に対し、高感受性にはなっていなかった。次にこのF1マウス同士を交配し、変異xpgマウスをヘテロに持つマウス、すなわち色素性乾皮症G群モデルマウスが誕生した(以下、このマウスをxpg欠損マウスと略す)。xpg欠損マウスは出生時は他の野生型、あるいはヘテロマウスと変わり無く生まれてくるが、その後の成長が著しく悪く、そのすべてが離乳期までに死亡した。産子の体重を計測したところ、xpg欠損マウスの平均体重は生後16日目で、野生型、あるいはヘテロマウスにくらべ2分の1から3分の1であった。死亡時期は生後10日目より23日目まで観察され、そのピークは16から19日目であると考えられた。ヘテロマウスは野生型との差異は観察されず、妊性も正常であると考えられた。次にxpg欠損マウスの胎児の細胞を採集し、紫外線に対する感受性を観察したが、高感受性であった。xpg遺伝子の転写をノーザンブロット法を用いて観察したが、全く発現されたいなかった。xpg欠損マウスの矮小化と離乳前に死亡する原因の1つとして、野生型、あるいはヘテロマウスとの競争、すなわちxpg欠損マウスの授乳行動が野生型、あるいはヘテロマウスによって妨げられていることが考えられた。そこで生後10日目に野生型、あるいはヘテロマウスと考えられるマウスを取り除く実験を行ったが、xpg欠損マウスは離乳前に死亡し、野生型、あるいはテヘロマウスとの競争はなく、それ自身に矮小化と離乳前に死亡する原因があると考えられた。
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Research Products
(1 results)