1998 Fiscal Year Annual Research Report
顎変形症者の咀嚼時における顎顔面のバイオメカニクスについて
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08835001
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川村 仁 東北大学, 歯学部, 助教授 (00110651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 準二 東北大学, 歯学部, 助教授 (00005109)
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Keywords | 顎変形症 / 咀嚼 / 顎機能 / 顎口腔機能 / 生物力学 / 顎顔面 |
Research Abstract |
顎変形は顔の変形であり、個性ということのみでは解決のできない、審美障害としての様々な問題が明らかとなっている。また、顎変形は顎顔面の生物力学的不調和が考えられ、安定した顎口腔機能は顎顔面の生物力学的調和のなかで営まれていることは疑うべくもなく、顎変形症者のいくつかの顎口腔機能障害も明らかとなっている。すなわち、顎変形の治療では、審美障害だけでなく顎口腔機能障害の改善も不可欠である。従って、顎変形症の治療を進めるとき、顎変形の生物力学的問題を明らかにすることで、それをも解決するための治療のゴールを考えることはよりよい治療を求めることであり、顎変形症の研究において顎顔面の生物力学的分析は非常に重要である。 本研究は、顎変形症者の治療前後の形態的分析を進めるとともに咀嚼機能を分析し、それと顎態の有限要素モデルを結びつけることで、生物力学的調和を計ることの重要性を明らかにすることと顎顔面の生物力学的調和を計る治療のゴールの方向を求めることである。 顎変形症者の有限要素モデルにより、顎変形症者が複雑な生物力学的不利益を有することが明らかとなった。また、顎変形症者の治療前後の形態的変化を分析するとともに咀嚼機能を分析することで、顎顔面の形態的バランスを計ることは、顎機能においても、明らかな改善が計られることが明らかとなった。また有限要素モデルでも、顎顔面の形態的バランスを計ることで生物力学的不利益の減少が確認された。 しかし、顎変形症の十分な改善がいかなるものかについては、顎変形症が抱える多要素を考え、さらに検討を深める必要がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 川村 仁: "機能的オトガイ形成術によるオトガイ変形の改善" 日本顎変形症学会雑誌. 7・2. 69-78 (1997)
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[Publications] 萬代 弘毅: "顎変形症患者に対する外科的治療後のガム咀嚼訓練効果の筋電図学的研究" 日本咀嚼学会雑誌. 7・2. 34-40 (1997)
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[Publications] 後藤 哲: "Le Fort I型骨切り術における下顎枝外側皮質骨移植の応用" 日本口腔外科学会雑誌. 44・8. 712-714 (1998)
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[Publications] 河内 満彦: "顎矯正手術後の鼻部・上唇部軟組織顔貌の予測に関する研究-上顎骨の移動方向に分類した多変量解析による検討-" 日本顎変形症学会雑誌. 8・3. 170-185 (1998)
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[Publications] 川村 仁: "外科的矯正治療の適応と実施-健康のための顎矯正手術-" 矯正臨床ジャーナル. 14・11. 11-29 (1998)
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[Publications] 川村 仁: "臨床家のための矯正Year Book '98 各種外科的矯正処置の概要と適応" クインテッセンス出版, 11 (227) (1998)