1996 Fiscal Year Annual Research Report
運動パターンの異なる皮質誘発性顎運動における筋感覚制御の相違
Project/Area Number |
08835013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 時限 |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日高 修 大阪大学, 歯学部, 助手 (30252696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 裕次 大阪大学, 歯学部, 助手 (20190366)
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Keywords | 咀嚼運動 / 筋紡錘 / ウサギ / 筋電図 |
Research Abstract |
咀嚼運動を調節する生理機構を明らかにするために、麻酔したウサギの大脳皮質を電気刺激して誘発される顎運動を、咀嚼時の顎運動のモデルとして用いた。今回は三日月状の顎運動を誘発して実験をおこなった。咀嚼する物体の硬さを変化させた場合、筋紡錘からの感覚情報、筋活動および顎運動パターンがどのように変化するかを定量的に分析し、筋感覚が咀嚼運動の調節に果たす役割を調べた。 テスト試料にはポリウレタンを用いて作製した硬さの異なる5種類の小片を用意した。顎運動中に上下顎の臼歯間にテスト試料を挿入して、咬筋と顎二腹筋の筋電図および顎運動を同時記録した。その結果、以下のことが明らかとなった。 1.咬筋の積分活動量および活動持続時間は、いずれも試料が硬くなるに伴い増大した。 2.試料が硬くなるに伴い、最小開口度(上下顎間距離)は増大した。最大開口度自体は有意に変化しなかった。咬合相における下顎の側方運動は、試料挿入により増大したが、試料の硬さに応じて変化しなかった。 3.筋紡錘からの感覚情報は、試料を咀嚼させる前においては、主として開口相のみ出会った。試料を咀嚼させると、筋紡錘からの感覚情報は、開口相では試料の硬さに応じて変化しなかったが、閉口相においては試料の硬さの増大に応じて増大した。 以上の結果より、咀嚼力は咀嚼する物体の硬さに比例して変化すること、閉口筋中の筋紡錘は咀嚼力の漸進的な形成に関与していることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hidaka,O: "Regulation of masticatory force during cortically induced rhythmic jaw movements in the anesthetized rabbit" Journal of Neurophysiology. (in press). (1997)
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[Publications] Masuda,Y.: "Modulation of jaw muscle spindle discharge during mastication in the rabbit" Journal of Neurophysiology. (in press). (1997)
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[Publications] Hidaka,O.: "Proprioceptive control of masticatory force" Journal of Dental Research. 76. 171- (1997)
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[Publications] Kato,T.: "Classification of Jaw-closing Muscle Spindle Afferents Under Halothane Anesthesia" Journal of Dental Research. 76. 358- (1997)
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[Publications] Kato,T.: "Physiological properties of the muscle spindles in the jaw-closing muscles under halothane anesthesia" Jpn.J.Physiol.46. S147- (1996)
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[Publications] Nakamura,O.: "A role of muscle spindle afferents in regulation of mastication" 4th IBRO World Congress of Neuroscience. 348 (1995)