1996 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼とその異常によって生成する各種ペプチドの生化学性状と生理作用
Project/Area Number |
08835024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 時限 |
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
阿部 公生 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (70076016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 一成 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50122768)
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Keywords | 咬合異常 / 唾液のペプチド / Glix-rich protein / アミノ酸配列 / 各種の歯科処置術 / HPLC / 生化学性状 / 生理作用 |
Research Abstract |
ヒト唾液にはproline-rich proteinやhistidine-rich protein由来のペプチドが多数出現する。何故かプロト型のタンパク質が決まっている。しかしながら、これらに関する研究は非常に少ない。また、これらのペプチドが口腔内でどんな働きをしているかに関する研究も、シスタチンやヒスタチン、を除いて非常に少ない。さらに、咀嚼の異常によりどのようなペプチドが口腔内に出現するかに関する研究はほとんど見られない。そこで、我々はラットを用いて咬合異常に伴って唾液中に出現するペプチドを検索することを目的に本実験を企画した。本実験に先だってどのような条件下で異常なペプチドが出現するかを検索した。歯牙の抜歯や高シュークロース食飼育下で検索した(歯基礎誌、38巻6号)。唾液をモルカットしHPLCにかけた。その結果、ラットではglutamine/glutamic acid-rich protein(Glix-rich protein)がプロト型のタンパク質であることを明らかにした。そして、2種類のGlix-rich proteinsのC-末端がいろいろな所で切断されることも明らかにした。Peak(p)21,24,26,28および34は高シュークロース食飼育下で、p21およびp24は咬合不全で有意に変化した。また、切歯離開後ではp20あるいはp21がさらに2つのpeakに切断された。そして、p19、20,21,24,28および31のアミノ酸配列を決定した。結果はそれぞれ、SPLGR,KLLAR,KLLARSPLGR,PPSADADAENVQEGESAPPAおよびGRPPKKIFPFFIYRであった。いずれもC-末端の切断端であった。これらのペプチドがどうして各種の歯科処置術でそれぞれ異なったペプチドとして口腔内に出現するかに関する研究は非常に興味があると思われる。ラットはヒトと異なりslgAが非常に少ない。従って、これらのペプチドは免疫学的にあるいは口腔予防的に非常に重要な作用をしていると考えることができる。今後その理由を明らかにしたい。
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[Publications] Abe,K.,Itoh,T.,Tashiro,M.et al.: "The effects of 5-hydroxydopamine on salivary flow rates and protein secretion by the submandibular-----" Experimental Physiology. 81. 645-653 (1996)
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[Publications] 石橋一成、阿部公生: "ヒスタチンの種類と生物作用に関する研究の最近の動向" 福岡歯大誌. 23・1. 1-21 (1996)
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[Publications] 西浦利博、阿部公生: "ラット唾液のシステインプロテアーゼインヒビター" 福岡歯大誌. 23・3. 321-338 (1996)
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[Publications] 椛島俊作ほか: "齲蝕誘発性高シュークロス食によるラット顎下腺唾液ペプチドの分泌促進" 歯基礎誌. 38・6. 611-619 (1996)