1996 Fiscal Year Annual Research Report
大脳基底核被殻の顎運動再現領域の破壊による咀嚼運動の異常の解析
Project/Area Number |
08835025
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
浜田 生馬 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 主任研究員 (70150191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 有美 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 主任研究員 (40234223)
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Keywords | 大脳基底核 / 咀嚼運動 / 被殻 |
Research Abstract |
1.サル被殻の咀嚼関連領域の位置と広がり 被殻のニューロンのスパイク発射活動を記録し、この活動をオ-ディオスピーカーでモニターしながら、サルの唇や舌に軽く触る、下顎を上下、左右に動かすなどによりニューロンのスパイク発射活動に変化があるかどうかを調べた。またサルに食物の小片を与えて自発的に咀嚼運動を起こさせて、被殻ニューロンの活動の変化を調べた。さらに、同じ電極で微少電流刺激(40マイクロアンペア、0.2ミリ秒幅、2.5ミリ秒間隔、40パルス)を行い誘発される運動を調べた。吻側尾側方向に12ミリ、内側外側方向に11ミリにわたって1ミリ間隔の格子状にエルジロイ記録電極を刺入し、被殻の広い範囲を調べた。電極トラックの深さ方向には、250ミクロンごとに上記の3つのテストを行なって応答の有無を調べた。口に応答するニューロンの領域は被穀内では核の腹側部にかたまっており、その背側に手の領域、さらに背側に足の領域が広がっていた。口の検査に応答したニューロンは前後に少なくとも10ミリ、内側から外側にかけて8ミリ、厚さ3ミリ以上の範囲に分布していた。そして、背側の手領域との間にははっきりした境界があり、両者が混在することは無かった。口の領域では、顎の運動に関係したニューロンがより背側に、舌の運動に関係したニューロンがより腹側に見つかった。口に関係した被殻領域は、検査への応答性によって3つに分割できた。(1)サルの自発的な咀嚼運動でニューロンのスパイク発射が増加する、(2)唇、舌、顎などの体性感覚刺激に応答を示す。(3)微小電流刺激で顎、口、唇の運動がおこる、のすべてを満たした領域。(1)と(2)を満たした領域。(1)のみを満たした領域。
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