1997 Fiscal Year Annual Research Report
微生物における光運動反応の信号伝達の分子論と行動学的解析
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08836003
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高橋 哲郎 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (90133769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 正勝 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40124226)
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Keywords | Halobacterium / Natronebacterium pharaonis / Ectothiorhodospira halophila / Chlamydomonas reinhardtii / Euglena / phototaxis / photophobic response / action spectrum |
Research Abstract |
本研究で扱った微生物の生物種別に、以下に研究経過をまとめる。 1.紅色イオウ細菌(Ectothiorhodospira halophila): A.走性トランスデューサー蛋白質に種を越えて高度に保存される配列をプローブとしてサザンハイブリダイゼーションを行ない、前年度見い出した2種の他に、光運動反応を媒介する情報伝達蛋白質の候補を新たに3種見い出し、クローニングを行なっている。 B.運動性の良い菌を選択する方法を開発し、光驚動性の精密な作用スペクトルを求めた。作用スペクトルは形状、極大波長共にフォトアクティブイエロープロテイン(PYP)の吸収スペクトルに良く一致した。 2.ミドリムシ(Euglena gracilis): 照射光量の増大に応答するstep-up驚動性、減光に応答するstep-down驚動性のそれぞれを独立に測定することに成功し、作用スペクトルを求めた。 3.クラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii): 前年度に引き続き走光性の符号制御に関与する光受容体を探っている。新たに符号を逆転させる前照射の作用スペクトルを求めたところ光受容体の吸収波長の他、600nmよりも長波長の光が効果を示すことがわかった。光合成色素以外にはフィトクロームの関与する可能性もあるため検討している。 4.古細菌(Halobacterium salinarun,Natronobacterium pharaonis): 種々の生物の全ゲノムDNAの塩基配列が解明されるにつれ、膜結合型光受容体の候補を異種生物で発現させて機能を解明することの重要性が増す.モデル蛋白としてN.pharaonisのフォボロドプシンを選び、大腸菌内での発現を試みた。大腸菌形質膜中で発現したpharaonisフォボロドプシンの一部は発色団の結合により本来の吸収スペクトルを示すが、膜中に発現した蛋白の一部は発色団を結合しない。すなわち、機能的発現のための条件を検討する系が構築できた。さらに、ヒスチジンタグを導入してアフィニフェィークロマトグラフィーによる精製に成功した。
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Research Products
(1 results)