1996 Fiscal Year Annual Research Report
ロドプシン燐酸化による暗順応を制御する分子機構の解明
Project/Area Number |
08836009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 時限 |
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
大黒 浩 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30203748)
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Keywords | ロドプシン / GTP結合蛋白質共役受容体 / 燐酸化 / セリンスレオニンキナーゼ / 視細胞 / 視興奮 / ロドプシンキナーゼ / GTP結合蛋白質 |
Research Abstract |
我々の研究グループは既に、in vitroおよびin vivoでロドプシン燐酸化反応はロドプシンのC末端に存在する3つのセリン残基(334Ser、338Ser、343Ser)にのみ起こることを報告した。さらにこれらの3つの部位の燐酸化率は、光条件により異なる事からそれぞれ334Serはadaptation、338Serおよび343Serはquenchingに関与することを併せて見いだした。今回異なる部位に起こるロドプシンの燐酸化がどのような調節機構によりおこるかについて検討するために、ロドプシンの3つの異なる部位における燐酸化を制御する機構について系統たてて検討し、次の結果を得た。1)触媒する酵素としてはロドプシンキナーゼ(RK)またはPKCが報告されているが、RKまたはPKCのどちらか一方を抑制または刺激して検討したところ、RKのみが3つのロドプシンC末端のセリン残基を燐酸化させることがわかった。2)RKがどのようにしてロドプシンの異なったセリン残基を燐酸化させるかを検討したところ、RKによるロドプシンの燐酸化が規則正しく起こるのに、ロドプシンのC末端のアミノ酸配列が非常に影響を与えることがわかった。3)燐酸化ロドプシンの脱燐酸化の機構を検討したところ、ロドプシンの脱燐酸化反応は、C末端に近いSer残基ほど早いことがわかった。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Ohguro et al.: "The difference in the expressions of visual pigments and transducin in photoreceptor cell differentiation." Tohoku J Exp Med. 178. 233-240 (1996)
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[Publications] Ohguro et al.: "Structural and enzymatic aspects of rhodopsin phosphorylation" J Biol Chem. 271. 5215-5224 (1996)
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[Publications] 大黒 浩: "10年後に第2眼に発症をみた網膜色素変成症の1例。" 臨床眼科. 50. 1383-1385 (1996)
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[Publications] 大黒 浩 他: "ステロイドの局注により退宿をみた眼窩頭蓋内血管種の1例。" 臨床眼科. 50. 1015-1017 (1996)
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[Publications] 大黒 浩 他: "血清アレスチン抗体とMS関連疾患。" 神経眼科. 12. 16-20 (1995)
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[Publications] 大黒 浩 他: "ボクシング選手にみられた一過性白内障。" 眼科. 38. 429-431 (1996)
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[Publications] 大黒 浩 他: "血清アレスチン抗体陽性であった視神経炎の1例。" あたらしい眼科. 13. 303-305 (1996)
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[Publications] 大黒 浩: "ロドプシンの燐酸化脱燐酸化の生理的意義と疾病との関係。" 日本眼科学会雑誌. 100. 575-581 (1996)
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[Publications] 大黒 浩: "視細胞における情報伝達機構。" 札幌医誌. 65. 65-72 (1996)
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[Publications] 大黒 浩: "アレスチンの機能と構造。" 札幌医誌. 65. 159-165 (1996)
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[Publications] 大黒 浩 他: "超音波生体顕微鏡により発見された外傷性毛様体解離の1例。" 臨床眼科. 50. 1723-1725 (1996)
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[Publications] 大黒 浩 他: "眼瞼腫脹および動眼神経麻痺で初発したヘルペス性髄膜炎の1症例。" あたらしい眼科. 13. 809-812 (1996)