1998 Fiscal Year Annual Research Report
物語文章理解における文脈と知識情報の統合的な処理方式に関する研究
Project/Area Number |
08837015
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Research Institution | HOKKAI-GAKUEN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
桃内 佳雄 北海学園大学, 工学部, 教授 (90002237)
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Keywords | 物語文章理解 / 文脈情報 / 知識 / 複文 / 事態 / 意味的関係 / 省略理解 / テキストベース |
Research Abstract |
・物語文章における文脈と知識情報の統合的な処理方式について,主として,物語文章中で記述されている事態の間の時間的関係および意味的関係の解析のための基礎的な考察を行った.物語文章中で記述される要素的な事態は,単文,あるいは複文中の節によって記述されるのが普通である.本研究では,まず,複文の中でも,副節として第一なかどめ節(連用形並列節)または第二なかどめ節(テ形並列節)を一つ含むなかどめ複文について,副節と主節によって記述される事態の間の時間的,意味的関係の基本的な分類を行った.次に,事態間の意味的関係を解析するために必要な知識と推論について基礎的な考察を進め,さらに,なかどめ複文の意味表現について考察し,意味表現としての概念構造レベルで事態間の意味的関係の解析を行うための基礎を与えた.物語文章中に多く出現する省略の解析においても,知識と文脈情報の利用が必須である.省略理解を物語文章の表層表現から意味構造を合成する過程での処理とみなして,そこでの知識と文脈情報の利用のしくみについて基礎的な考察を行った. ・具体的,かつ自然な物語文章を資料として解析を進めるための基礎として,前年度までに構築した物語文章のテキストベースの拡張とそれを利用した文章解析ツールの開発を行った.具体的には,まず,物語文章テキストベースの一部について,名詞タグを付加した名詞タグ付きテキストベースを作成した.そして,それを用いて「<名詞句A>の<名詞句B>」句抽出プログラムを作成し,<名詞句A>と<名詞句B>の間の意味的関係の解析を行った.また,同一名詞共起抽出プログラムを作成し,同一名詞が共起する文脈について解析を進めた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 桃内佳雄: "日本語なかどめ複文における事態間の関係と知識" 北海学園大学 工学部研究報告. 26号. 325-336 (1999)
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[Publications] 桃内佳雄: "日本語なかどめ複文における事態間の関係の解析に関する研究(科研報告書)" 桃内佳雄, 49 (1999)