1996 Fiscal Year Annual Research Report
談話能力の能力におけるタスクの差異が結果に及ぼす影響について
Project/Area Number |
08837023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 時限 |
Research Institution | Hiroshima Prefectual College of Health and Welfare |
Principal Investigator |
綿森 淑子 広島県立保健福祉短期大学, 言語聴覚療法学科, 教授 (00073023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 留美 広島県立保健福祉短期大学, 言語聴覚療法学科, 助手 (10290553)
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Keywords | 談話 / 評価 / タスク / 成人 |
Research Abstract |
本研究の目的は、談話能力の評価を行う際のタスクの違いによる結果への影響をみることにある。今年度は、研究材料(談話タスク)、および分析手法の開発の目的で、健常成人20名を対象に予備的実験を行った。 材料(タスク):タスク開発に当たり、第一には、採取する談話のタイプの違い、すなわち物語を話すタスクか、説明をするタスクか、第二には、タスクによって予め提示される構成の枠組みの量、すなわち被験者の側の自由度が多いか少ないか、を考慮した。これに基づき、一枚の情景画を見て話す(物語と説明)、ビデオ番組を見て話す(物語)、続き絵を見て話す(物語と説明)、与えられたテーマについて説明する、三つの単語から物語を作る、といったタスクを施行した。 方法:発語場面はビデオおよびオ-ディオテープにて録画、録音を行い、書き起こした。数量的な分析として、発語速度、総語数、情報単位数、発話効率(情報単位数/総語数)を調べた。 結果:1 数量的分析結果が類似していても、発話の印象が異なる場合があり、質的分析が必要である。 2 物語を作る課題と説明をする課題の違いについて、被験者には区別が困難な場合があった。 3 情景画のタスクの絵の選択には、考慮すべき事が多く、試行しながら修正を行う必要がある。 4 情景画のタスクでは、著しい停滞(発話開始までの秒数、中断)が複数の被験者で見られた。 来年度は、検査材料(主に情景画)に検討を加え、完成させ、また、数量的な分析以外の分析項目を確立する。この材料を用いて、中〜高齢者20人より談話を採取し、分析を進める。
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