1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08838016
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
熊崎 努 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (20161698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 勝友 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (00136144)
三井 洋司 工業技術院, 生命工学工業技術研究所, 首席研究官
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Keywords | 細胞老化 / フィブロネクチン / プロモーター / 転写因子 |
Research Abstract |
これまでに、フィブロネクチン遺伝子の発現が老化に伴って増加することを明らかにしている。フィブロネクチン遺伝子のプロモーター領域には3つのcAMP responsive element (CRE)の存在が知られており、これがcAMP量の変動のみならず、血清刺激に対する応答にも関与していること、また、恒常的発現にも関与していることが示されている。これらを含むフィブロネクチン遺伝子の上流約500塩基のプロモーター領域の10個の転写因子結合部位と思われる部分について詳細な検討を行った。その結果、フィブロネクチン遺伝子の転写開始点より約260塩基上流に存在するcAMP responsive element(-260CRE)部位に結合する蛋白質に老化に伴う結合増加が見られたので、まずこの部位に結合する蛋白質の分離・精製をてがけた。しかしながら、もともと結合量の少ないものであることなどから困難が多く、この蛋白質を同定する等の情報が得られるには至っていない。また、-20TATA box部位、-40部位、-120部位、-150CAAT element部位にも、老化に伴い結合量増加を示す蛋白質の存在が示されているが、それらを分離・精製し同定するには至っていない。これらもすべて結合量が少ないものなので困難が多いが、現在も本研究の目標に向けて分離・精製に努めている。 一方、老化に伴い発現が増加する他の遺伝子についてもその制御を明らかにするために、老化細胞で発現の高い遺伝子のクローン化を行った。その内、ミトコンドリアDNAにコードされるNADH脱水素酵素のサブユニット2および3、ATP分解酵素6、そして16SリボソームRNAの4種のRNAが、2種類の血管内皮細胞および2種類の線維芽細胞の老化細胞において発現が高まっていることを明らかにし、発表した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kumazaki,T.: "Expression of endothelin, fibronectin, and mortalin as aging and mortality markers" Experimental Gerontology. 32. 95-103 (1997)
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[Publications] Nishiyama,M.: "Molecular targeting of mitomycin c chemotherapy" International Journal of Cancer. 72. 649-656 (1997)
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[Publications] Kumazaki,T.: "Enhanced expression of mitochondrial genes in senescent endothelial cells and fibroblasts" Mechanisms of Ageing Development. (in press). (1998)
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[Publications] 熊崎努: "老年消化器病の現況と将来(中澤三郎・福井博編)" 医学図書出版株式会社, 18-24 (1997)
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[Publications] Nishiyama,M.: "Progress in Gastric Cancer Research 1997 (Siewert,J.R.,Roder,J.D.,eds.)." Monduzzi Editore, 1473-1477 (1997)
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[Publications] Kumazaki,T.: "The PCR Technique : RT-PCR." Eaton Publishing (Siebert,P.,ed), 57-60 (1997)
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[Publications] 熊崎努: "ノックアウトマウス・データブック(黒川清・笹月健彦監修、Molecular Medicine vol.34臨時増刊号)" 中山書店, 26-27 (1997)