1998 Fiscal Year Annual Research Report
PDE IV阻害剤を骨粗鬆症治療薬として開発するための基礎的研究
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08838025
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮本 謙一 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30100514)
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Keywords | ホスホジエステラーゼ / PDE IV / 阻害剤 / 骨粗鬆症 / 治療薬 / ターゲッティング / 動物モデル / Walker256 / S |
Research Abstract |
急速に高齢化社会が進行している今日、骨粗鬆症の効果的な予防法および治療法を早急に確立する必要がある。我々は、前年度までにキサンチン誘導体をベースにcyclic AMP-specific phosphodiesterase(PDE IV)に対する選択的阻害剤を誘導し、PDEIV阻害剤の新しい薬理作用として、in vitroにおいてもin vivoにおいても骨芽細胞を活性化して化骨形成を促進することを見いだした。本年度は、新規化合物の骨粗鬆症の治療効果を評価を行うとともに、WALKER256/Sラット乳癌が閉経後骨粗鬆症病態モデルとして有用であることを示すなど、以下のような成果を得た。 1) PDE IV阻害剤は、in vitroにおいてもin vivoでも、明らかな骨代謝改善作用を有するため新規な骨粗鬆症治療薬として有望であることを示した。 2) 骨組織には特有なペプチドのアミノ酸配列を詳細に検討した結果、これらにはいずれも酸性アミノ酸が集中している配列の存在することに着目し、種々検討を重ねた結果、アスパラギン酸(Asp)が6個連続した小ペプチドがハイドロキシアパタイトとの結合親和性が高く、骨組織集積性の高く、骨組織での滞留時間も極めて長いため、骨粗鬆症治療薬の骨組織ターゲッティングのためのキャリアーとして有望であることを示した。 3)ラット乳癌Walker256/Sは、自身がLH-RHを過剰に産生・分泌するため、宿主ラットは閉経状態となり、骨粗鬆症様骨変化を起こすことを明らかにした。従って、Walker256/S担癌ラットは、閉経後骨粗鬆症のモデルとなること提示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kenji Yamamoto: "Relationships between the structural and electronic properties of alkylxanthine derivatives and their inhibitory activity on PDE IV" Biol.Pharm.Bull.21. 356-359 (1998)
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[Publications] Yoshihiro Waki: "Walker256/S carcinosarcoma causes osteoporosis-like changee through production of luteinizing hormone-releasing hormone" Cancer Res.in press. (1999)
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[Publications] Yoshihiro Waki: "Effects of XT-44,a phosphodiesterase 4 inhibitors,in osteoclostgenesis and osteoclostogenesis in cu Hure and its therapeutic effects in rat---." Jpn.J.Pharmacol.in press. (1999)
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[Publications] Yoshihiro Waki: "Postmenopause-like bone Loss by mammary carcinoma Walker256/S which secretes luteinizing hormone-releasing hormone" Jpn.J.Pharmacol.in press. (1999)