1996 Fiscal Year Annual Research Report
自然発症肝炎・肝がん動物における加齢に伴うゲノム不安定性の解析
Project/Area Number |
08838027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 時限 |
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
曽根 秀子 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 主任研究員 (60280715)
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Keywords | 肝炎 / 肝がん / 自然発症 / LECラット / ゲノム不安定性 / 銅 / 変異頻度 / Big Blue |
Research Abstract |
Long Evans Cinnamon (LEC)ラットは、銅の輸送蛋白遺伝子atp7bの変異により肝臓に銅が異常蓄積し、さらには肝炎・肝がんを発症する。このLECラットの加齢(発がん過程)でのゲノム不安定性を解析するため、レポーター遺伝子を組み込んだLECラットを作成し、このラットの変異頻度及び変異スペクトルのレベルとパターンを解析する。この解析から、加齢による酸化ストレスの蓄積が引き金となってゲノム不安定性が生じているのかどうかを検討する。 lacI導入LECラットを作成するために、lacIが導入されたBig Blue F344ラットとLECラット(LEC/Crj)を交配させ、このF1ラットにLECラットを再度交配させた。得られたF1バッククロスの中から、lacI DNAプローブを用いたドットブロット解析により、lacI遺伝子導入動物の選別をした後、さらにlacI遺伝子導入動物について、wild atp7bのプローブrWDF9R10によるサザンブロット解析によりmutant atp7b (atp7b-/-)を持つlacI遺伝子導入LECラットを選別した。その結果、誕生した動物549匹中BB-LEC^<1acI+/->が270匹、そのうち雄BB-LEC^<1acI+/-,atp7b+/->が66匹、雄BB-LEClacI^<+/-,atp7b-/->が71匹、雌BB-LEC^<lacI+/-,atp7b+/->が72匹、雌BB-LEC^<lacI+/-,atp7b-/->が61匹であった。今後、lacI遺伝子導入wild atp7bラットを対照にして、肝炎発症期前後におけるBB-LEC^<lacI+/-,atp7b-/->の肝臓でのlacI遺伝子の突然変異頻度を測定する予定である。
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