1997 Fiscal Year Annual Research Report
自然発症肝炎・肝がん動物における加齢に伴うゲノム不安定性の解析
Project/Area Number |
08838027
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Research Institution | National Institute For Environmental Studies (NIES) |
Principal Investigator |
曽根 秀子 国立環境研究所, 地域環境研究グループ化学物質健康リスク評価チーム, 主任研究員 (60280715)
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Keywords | 加齢 / 肝がん / 肝炎 / ゲノム不安定性 / LECラット / lacIトランスジェニック / 酸化ストレス |
Research Abstract |
lacIが導入されたBig Blue F344ラットとLECラット(LEC/Crj)のF1ラットにLECラットを再度交配させて得られたF1バッククロスのうち、wild atp7bを持つlacI遺伝子導入LECラット(BB-LEC^<lacI+/-,atp7b+/->)、mutant atp7bを持つlacI遺伝子導入LECラット(BB-LEC^<lacI+/-,atp7b-/->)を選別した。これらのうち、雄動物について肝炎を発症しない6週齢と肝炎発症期の24週齢及び慢性肝炎期の40週齢における肝臓でのlacI遺伝子の突然変異頻度を測定した。別にBB-LEC^<lacI+/-,atp7b+/->における突然変異頻度に対する対照として20週齢でのBig Blue F344ラット^<lacI+/+>の突然変異頻度についても測定を行った。 その結果、雄BB-LEClacI+/-,atp7b-/-8匹中の平均変異頻度は12.8x10-5±8.3、肝炎発症のマーカーである血漿GPT(IU/L)は1461±1485、肝臓中銅含量(オg/g wet weight)は265±72であった。一方、対照であるBig Blue F344 lacI+/+についての結果は、2匹中の平均変異頻度が0.5x10-5、肝炎発症のマーカーである血漿GPT(IU/L)が66、肝臓中銅含量(オg/g wet weight)が5であった。この結果より、肝炎発症により変異頻度が約26倍上昇することがわかった。
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