1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08839013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野 史郎 大阪大学, 医学部, 講師 (80127208)
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Keywords | IL-12 / マクロファージ / IL-10 / PGE2 / アジュバント / STK / 自己免疫 |
Research Abstract |
細胞性免疫を担うTh1細胞分化に決定的な役割を果たすIL-12のマクロファージ(Mφ)による産生制御機構を解析し、以下の成績を得た。1、正常BALB/c及びC57BL/6マウスの脾臓MφはLPS+IFN-γ或はSAC+IFN-γでの刺激に反応してIL-12を産生するのに対して、腹腔Mφは殆ど産生しなかった。しかし、IL-12産生を抑制するIL-10及びPGE2の活性や合成を阻害する実験条件下に腹腔Mφを刺激した場合にはIL-12産生が誘導された。2、Th1を効率良く誘導するアジュバントCFAを腹腔内投与した場合、投与後3週にわたりC57BL/6及びBALB/し腹腔φはLPS+IFN-γやSAC+IFN-γ刺激に対して高レベルのIL-12産生応答を示すようになった。一方IFA(Incomplete Freud's Adjuvant)を投与した場合には、C57B/6腹腔φは3週までIL-12産生を示すのに対して、BALB/c腹腔φは1週後にはIL-12産生能をほぼ消失した。ここで、アジュバント投与によりIL-12産生能を獲得した腹腔Mφでは、IL-10/PGE2の産生が著しく低下していた。即ち、腹腔MφのIL-12産生での欠損は、腹腔Mφが脾臓Mφに比してIL-10及びPGE2を高レベルに分泌することによる事が示された。3、正常腹腔Mφとアジュバント処理腹腔Mφとの間での表面抗原の発現パターンの解析で、腹腔MφのIL-12産生能の獲得と受容体型チロシンキナーゼSTK(stem cell-derived tyrosine kinase)分子の発現減少とが密接に関連している事が明らかとなった。4、CFAと共にミエリン塩基性蛋白で免疫した場合、Th1が主導的役割を果たす実験的アレルギー性脳脊髄炎が高頻度に誘導されるSJLマウス、及びIL-12反応性Th1細胞が疾患の発症に重要な役割を果たす全身性自己免疫疾患モデル動物であるMLR/lprマウスの腹腔φは低レベルのIL-10/PGE2しか産生しない為に、LPS+IFN-γ刺激に対してIL-12産生応答を示す事も明らかとなった。
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[Publications] Takenaka,H: "Regulation of T cell-dependent and-independent IL-12 production by the three Th2-type cytokines IL-10,IL-6,and IL-4." J.Leukoc.Biol.61. 80-87 (1997)
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[Publications] Maruo,S.: "B cell regulate CD40 ligand-induced IL-12 production in antigen-presenting cells(APC) during T cell/APC interactions." J.Immunol.158. 120-126 (1997)
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[Publications] Yang,Y.-F.: "Enhanced induction of anti-tumor T cell responses by cytotoxic T lymphocyte-associated molecule-4 blockade : the effect is manifested only at the restricted tumor-bearing stages." Cancer Res.57. 4036-4041 (1997)